移住者インタビュー
子育てのサポート体制や自然環境が充実している高知県にUターンして、親も子どもも自然体で暮らせています。
田上 聖子さん
子どもの将来を考えて高知へ
夫の仕事の関係で全国転勤を繰り返していたのですが、子どもたちの将来のために「地元」を作ってあげたくなりました。下の子が小学校に上がるタイミングで高知への移住を考えた結果、私の出身地である高知県いの町にUターン。今は実家の近くで暮らしています。
転勤族あるあるで、転勤の辞令が出る4月や9月頃になるといつもそわそわ。住んでいる土地に慣れた頃に次の場所に引っ越すというのは、寂しさや大変さがありました。
行ったことのない場所での子育ては、特に大変でした。うちには2人の子どもがいますが、引っ越して間もない頃は頼れる人が周りにおらず、心細く思うこともありました。転勤する度に、ママ友を作ったり、地域の子育て支援を調べたり、自分でできることを探した思い出があります。
子育てしやすい高知県
子育てに大変な思いをした自身の経験から、現在はお母さんの子育てリズムを整えて、暮らしを支えるお手伝いをする「産後ドゥーラ」という仕事をしています。産後ドゥーラは、出産前後の女性の心身の変化を理解した上で、赤ちゃんのお世話だけではなく、料理や掃除などの家事をしたり、悩みや不安の相談をうけたりする専門家です。
転勤などで高知に引っ越して子育てをされている方から、高知は他県よりも比較的子育てがしやすいという話を聞きますし、私個人もそう思います。以前住んでいた千葉では、幼稚園に預けるまでは自宅で子どもの面倒を見るという女性が多かったのですが、高知では、産休・育休を取得後、1年ほどで仕事復帰される女性が多くて驚きました。
共働き家庭が多いことなどから、高知は他県に比べてサポート体制が充実しています。子育て支援センターをはじめ、産後ケアやファミサポ制度などの頼れる社会資源も増えていますし、待機児童も少ないようです。自然の中や公園など、お金をかけなくても遊べるところが充実していますし、子ども向けのイベントも増えてきています。高知は車移動が主流ですが、どこに行っても混雑し過ぎていないというのもありがたく、子どもと一緒に出かけやすい環境になっています。
豊かな自然と地域との繋がりがある、いの町
高知に戻ってからは、日々の暮らしの中で自然に触れ合う機会が増えました。例えば都市部で子どもと一緒に川遊びをしようと思っても、水質が気になって気軽には遊べませんでしたが、いの町には水質日本一(※)の仁淀川があるので、いつでも気軽に遊びに行くことができます。
小学生の娘にいの町の好きなところを聞くと、登下校の際に近所の人が挨拶をしてくれるところだと言っていました。すれ違う人が必ず挨拶をしてくれて、ついでにおしゃべりをしたり、散歩中の犬を撫でさせてくれたり、知らない人と気軽にコミュニケーションがとれるので、知っている人が増えていくとのことでした。いの町はおじいちゃんやおばあちゃん世代が多いこともあり、地元の子どもたちを地域の人達がやさしく見守ってくれていると私も感じます。
地方に行くと強すぎる繋がりが煩わしいのでは?と想像される方もいると思うのですが、一概にそうともいえません。少なくとも私は、居心地のいい適度な距離感を保ちつつも、困ったことがあれば助けてもらえる関係を築けています。私が子どもの頃は自宅に近所の方がよく来ていましたが、今は時代が変わったのか道で会ったら話す程度です。けれど、大人も子どもも一緒に楽しめるお祭りや地区運動会などの地域行事は残っているので、自然に近所と打ち解けることができています。
※水質日本一…仁淀川は、2021年7月に国土交通省から発表された「全国一級河川の水質現況2020」で、3年連続「水質が最も良好な河川」に選ばれた。
今の暮らし
単身赴任となった夫は、月1回ほど私と子供が暮らす高知の家に帰ってきます。毎日家族と生活していると一緒にいることが当たり前に感じてしまいがちですが、夫と離れて暮らすようになってから家族の大切さを再確認することができました。夫がいない間、子ども達と会話する際は意識して夫についての話題を多くするようにしていますし、夫には子どもたちの成長をできるだけたくさん伝えるようにしています。
子どもの教育については、習い事の選択肢の多さや、関わる友達の多さ、子ども向けのイベントの多さなど、都市部の方が高知に比べて様々な機会に恵まれていると感じることもあります。子供たちをそういう機会に触れさせてあげたくて、長期休みには県外で学びや遊びを体験させることにしています。前回の夏休みは、東京都内にある大学のコンピュータプログラムキャンプに1週間参加しました。高知でできないことはネットで探して、「こんなのあるみたいだよ」とできるだけ提案するようにしています。
生活の面では、ネットを使えば地方にいても買えるものが増えて便利になりました。長男は「高知は遊びに行くところが少ない」と口にすることもありますが、自然の中でできる遊びを探しながら友達と一緒に楽しんでいるようです。都市部に比べると不便さを感じることはありますが、高知だからこその豊かな暮らしを大切にできればと思います。
移住を考えている人へ
将来的に親の介護が必要になればケアハウスを利用するという手もありますが、私の場合は、親の近くで暮らしながらサポートしたいとの思いもあり、高知に戻ることにしました。親が元気なうちに戻ったからこそ一緒にできることも多いですし、戻ってよかったと感じています。自分が大人になってから、そして自分自身が親の立場になってからは、親に接することで素直に感謝を伝える回数も増えました。
高知への移住を考えている方の中には、単身赴任するか転職するかなど、いろいろな選択肢で迷う転勤族の方もいるかと思います。移住について考える中で、その家庭にしっくりくる選択や、家族みんなが円満に過ごすコツが見つかればと願っています。都会にはないモノやコトはありますが、工夫次第でできることもたくさんありますし、何より高知は子育てするのに良い環境です。また、Uターンの場合はいざとなれば親や友達や地域を頼れるという安心感もあります。
また、高知に戻ってから、自分の時間をより丁寧に過ごせるようになりました。もともと自然が大好きなので、今は実家の農業を手伝ったり、四季折々の庭の植物をカメラで撮ったり、美しく手入れされた高知の植物園を楽しんだりしています。好きなものに触れる時間が増えて、以前よりもリフレッシュしやすくなりました。これから高知に移住して、穏やかに暮らせる方が増えますように。
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