一覧へ戻る
奇跡の清流「仁淀川」。驚くほど透明度が高く、美しい川の流れは、青みがかった神秘的な色彩から「仁淀ブルー」と呼ばれ、年々人気が増しています。
この仁淀川を存分に堪能できる多様なアウトドアツアーを開催しているのが『合同会社仁淀アドベンチャー』。世界中で経験を積んだリバーガイドの神澤さんが、地域を盛り上げながら、川の魅力を発信しています。

神澤 識大さん
- 出身地:埼玉県
- 現住所:仁淀川町
- 移住年:2020年
- 職業:アウトドアガイド
アウトドアアクティビティに魅せられて
出身は埼玉県です。静岡の大学に進学し、水産系の学部で海洋動物の生態などについて学んでいました。ちょうど卒業後の進路を考えていた時期にオーストラリアに旅行に行き、アウトドアアクティビティを体験したのですが、これが今の仕事との出会い。「こういう仕事をしたい」とガイドに興味を持ったのです。
そして、大学卒業後は宮古島でシュノーケリングやカヤックなどのガイドをしている会社に就職。スキューバダイビングの資格を取得するのも目的でした。
日本では冬はガイドの仕事がないのでグアムでも働きましたが、オーストラリアでの旅行を思い返すとラフティングが一番楽しく感じたことを思い出して。そこで、インターナショナルな雰囲気で、アクティビティに関する海外の資格も取得できる群馬のラフティング会社で働き始めました。
日本での仕事は夏の間の4~5か月間のワンシーズンなので、日本でのシーズンが終わると、ワーキングホリデーを利用してニュージーランドやオーストラリア、カナダなどに行き、アウトドアガイドをする生活を10年くらい続けました。
最初は群馬と海外を行き来していましたが、高知県の大豊町がラフティングで有名だと聞いて。そして、大豊町に来たのが人生で初めての四国です。そこからは、大豊町のラフティング会社を拠点に働いていました。
仁淀川だからこそできる多彩な楽しみ方
ずっと大豊町で働いていましたが、もともと自分でアウトドアガイドツアーの会社をやりたいと思っていたので、独立を決意しました。
吉野川は良い川ですが、ラフティング会社も多いため、他の場所を選ぼうと移住先探しをスタート。県内外のいくつかのエリアに行き、仁淀川町にしようと決めました。
仁淀川は穏やかな川なので、急流を下る、一般的なイメージのラフティングとは少し違っているかもしれません。しかし、仁淀川の支流にはきれいな渓谷がたくさんあり、キャニオニングをしたり小さいボードに乗ったり、ラフティングだけではなくいろいろな遊び方ができる点に魅力を感じました。
そして、「仁淀ブルー」人気で観光客が多いというのも決め手です。やはり、お客さんがいないと成り立たない仕事なので。
仁淀川町とは今まで何の接点もありませんでしたが、移住することに何の不安もありませんでした。自分で会社をやるということは決めていたので、どうやったらうまくいくか、それだけ考えていましたね。
そして、コロナ禍だった2020年初めに夫婦で移住。仁淀川町のシェアハウス「山茶小屋」で暮らしながら春から仁淀川でのガイドツアーを始めました。


首都圏からアクセスが良く訪れやすい場所
ガイドツアーは関東や関西のお客さんが多く、キャニオニングが人気です。仁淀川町は交通アクセスが良く、例えば東京の方であれば自宅から3時間程度で来ることも可能。羽田空港発の朝の便に乗れば、13時のツアーに間に合うのです。
この、首都圏からのアクセスの良さも魅力だと感じています。関西の方は車で気軽に来れますしね。英語対応しているので、インバウンドのお客さんもいらっしゃいます。
仁淀川町は、観光に関わるビジネスをするには正解の場所だと思っています。いくらやりたいことがあっても観光客がいないと成り立ちません。
良い意味で、仁淀川に‟乗っかれる”ビジネスをできるかどうかが大切だと感じています。
快適に田舎暮らしを楽しめる環境
生活面も困ったことはありません。スーパーは車で20~30分程度の場所にあり、ネット環境も問題なく、ECサイトで買い物をしても翌日に届きます。不便だと思ったことはないですね。
そして、子どもが今、1歳ちょっとなのですが、保育園や医療費は無料です。他の移住された方もいるので、輪に入りやすい環境だと思います。カナダ人の妻も、仁淀川町での生活を、子育て環境も含めて気に入っています。
そして、田舎で暮らして思うことは、良くも悪くも「コミュニケーション力が大切」ということ。都会では近所の人と会話する機会は少ないと思いますが、田舎では集落の行事などには積極的に顔を出しておくことをおすすめします。
余談ですが、田舎暮らしをすると近所の方から野菜がもらえるとよく言われますが、日ごろのコミュニケーションあってのことです。


季節に合わせて柔軟に働く
今後は、アウトドアツアーガイドとして一緒に働いてくれる人を増やしたいと思っています。スタッフが増えると、できることも増えます。また、地域では人手不足で困っている所もたくさんあるので、ツアーガイドのオフシーズンには他の仕事で重宝されるはずです。
ちなみに今働いているスタッフも、夏は仁淀川町にいて、冬は雪山でバックカントリーの仕事をしています。季節ごとに、やりたいことが柔軟にできる環境です。
僕自身は本業に加えて、他の移住された方がやっている林業(周りの建物などを傷つけずに伐採する「特殊伐採」)の手伝いなどもしています。狩猟の資格も取得したので、観光資源にできるように活用したいですね。
また、仁淀川町では現在、ホテル、飲食店、観光協会などいろいろな事業者が協力し合って町全体を盛り上げていこうという機運が高まっています。そこに加わり、取り組みを進めているところです。
「仁淀ブルー」を通して盛り上がる町の一員に
都会から地方に移住をするかどうか悩んでいるという方は、移住先に仕事はあるのか、これまでの生活水準を下げずに暮らせるだろうか、という思いがあるのではないでしょうか。
「仁淀ブルー」で全国から注目を集めている仁淀川町では、町の魅力をより高めようと、観光産業が盛り上がっています。今から始めようとしていることもたくさんあるので、このタイミングで加わってもらえると、挑戦しやすい環境だと思います。
そして、どこも人手不足で仕事はいくらでもあるので、田舎だから仕事がないということはありません。収入は多少下がるかもしれませんが、家賃も安く、出ていくお金も少ないので、生活水準を落とさずに暮らせます。
また、転職先の会社で仲間ができるように、移住先のコミュニティでも新たな人間関係は築けるもの。自分から積極的に入っていけば、孤独にはならないですよ。
移住したからといって、ずっと住み続けなくてはいけないわけではありません。まずは、飛び込んでみてはいかがでしょうか。
▶合同会社仁淀アドベンチャーについてはこちら