募集の背景
宿毛市の森林面積は全体の約8割を占めており、林産物の生産、国土の保全、水資源のかん養、自然・生活環境の保全、水産資源の栄養源など多面的な機能により地域産業や市民生活と深く関わっています。
森林の約8割が民有林(※)、約60%はヒノキを中心とする人工林です。
また、民有林では、主伐時期を迎える10齢級(50年生)以上の森林が、約70%を占めていますが、長引く材価の低迷や、森林所有者及び林業従事者の高齢化などにより伐採されず、林業を取り巻く環境は年々厳しさを増しています。そこで、今回、自伐型林業の担い手として地域おこし協力隊を募集しています。
※民有林:林野庁が所有する以外の、県、市、民間が所有する森林のこと。
自伐型林業とは?
一言でいうと、経済的にも資源的にも持続可能な林業です。小型の機械を使って、自ら山に道を作り、自ら木を伐り、自ら木材を運び出す、自立・自営の林業です。限られた面積の中で手入れをし続けて永続的に収益を上げるため、すべての木を一斉に伐採することはしませんし、山を傷つけるような大規模な間伐も行いません。
具体的な仕事内容
・市有林等を研修場所として実践(作業道の開設、間伐等)を行う。
・林業大学校の研修会を通じて、技術習得や森林経営の基礎を身に付ける。
・市民向けの自伐型林家を育成する「すくも森林塾」を開催する。
・その他、地域資源を活用した産業振興を推進する活動について取り組む。
任期後の道
継続して自伐型林業に取り組む。
・自伐型林業+α(例:農業等の一次産業、木材の加工・販売等)
実際に、地域おこし協力隊OB・OGには、継続して自伐型林業に従事しながら、農業や漁業、狩猟等と兼業している方が多いです。
隊員のサポート体制
現在、自伐型林業を行っている現役の隊員は3名います。これまで、11名の隊員が自伐型林業のミッションで活動してきました。現役の3名は、全員未経験からのスタートです。
宿毛市では、未経験の方でも安心して取り組むことができるように「すくも森林塾」と、その卒業生から成る「すくも森林塾卒業生の会」という組織があります。
<すくも森林塾>
「自分で山を間伐してみたいけれど経験がない方」や「とにかく林業に興味がある方」等が気軽に、無料で参加できる林業の講習会です。年間6回(12日間)の研修を受けると、林業関係の資機材購入費に補助(上限5万円)が受けられます。主な研修内容は下記の通りです。
・チェーンソー研修
・小型車両系建設機械の特別講習
・自伐型林業実地研修
・アドバイザーによる講義 等
<すくも森林塾卒業生の会>
「すくも森林塾」の卒業生が約30名在籍しています。主な活動内容は下記の通りです。
・総会(年1回開催)
・ふるさと納税への出品(伐採した木を加工した薪やロケットストーブ等)
・すくも森林塾のスタッフ 等
・スキルアップの為の視察研修等の実施