移住者インタビュー

私のエネルギーの源泉は、「あのとき嬉しかったなぁ」という感謝の気持ち。

一覧へ戻る 私のエネルギーの源泉は、「あのとき嬉しかったなぁ」という感謝の気持ち。

「海に入ると、なぜか気分がスッキリする」と語る嶋田さん。大阪府から東洋町へ移住して16年。小学生の娘さん、旦那さんとの楽しい日々を取材しました。

嶋田 あゆみ(しまだ あゆみ)さん

  • 出身地:大阪府
  • 現住所:東洋町
  • 移住年:2005年

大阪府から夫婦で東洋町に移住して16年。タイ古式マッサージ&ヨガ教室を営む傍ら、集落活動センターの集落支援員を務める。防災士や消防団、放課後子ども教室補助など地域の活動にも積極的に参加。サーフィン、よさこい、フラダンスなど趣味多数。

「マンペライ」の優しい響き。

東洋町で、タイ式マッサージ店を経営しています。サーフィンをしに訪れているリゾート客から近隣の人まで、いろいろな人が疲れをほぐしに来てくれます。

タイ語に「マンペライ(気にしない)」という言葉があって、現地では本当によく耳にします。なにか手違いがあったり、誰かに待たされたりしても、タイ人は「マンペライ」精神でゆったりとした笑顔を見せます。この優しい、寛容なフレーズが私は大好き。これまで20回以上タイを訪れました。

その縁で知ったのが、タイ式のマッサージとヨガです。施術してもらうと気持ちがリラックスするし、毒気が出て身体が軽くなるんです。すぐに自分でもやってみたくなりました。何年かタイに通って勉強するうちにどんどん夢中になって、いつしか日本でお店を持つのが夢になりました。

夢中で飛び込んだ新しい世界。

10代から20代にかけて、プロのスノーボーダーを目指していました。一度大ケガをしてから、その怖さを克服できなくて引退してしまったけど、諦めがなかなかつきませんでした。私は、何かを一度好きになったら一直線に飛び込む性格のようです。夢中になったら、もうそればかり必死(笑)。

スノーボードを諦めるために環境を変えたくて、全然真逆の、雪が降らない町に移住して、念願だったタイ式マッサージ店を開きました。

大阪から東洋町に来てもう16年が経ちました。移住してすぐのころは、スノーボードのことは忘れて、とにかくマッサージ店を絶対成功させなくちゃという気持ちでいっぱいでした。いろいろなことがあったのに、今振り返ってみたら、本当にあっという間です。

山田朋広03 大川村 れいほく



海まで5分。潮騒とともに暮らす。

国道脇の雑木林を抜けた先に、小さな店舗兼住居を構えて、移住生活をスタートさせました。家から海まで徒歩5分の場所です。
店の営業時間前、午前中には夫と2人でよく海へ行きました。サーフィンしたり、ただ海にぼーっと浮かんでみたり。夜、自宅で寝ていると遠くに波の音が聞こえました。

最初にマッサージ店を開いたとき、何の店だかわからないとか、居酒屋さんにしたら?なんて言われることもありました。でも「マンペライ」の心で営業を続けました。
気分が落ち込むときは、海で心を落ち着かせて、リラックス。この景色と波には何度か助けられました。

 東洋町 嶋田さん ひがしこうち 2021 

夢中でお店の仕事をこなすうち、少しずつ地元の人に受け入れられるようになって、町で私の顔を見て「あ、マッサージ行かな」とか「あんたの顔みたら肩凝って来たわ。揉んでもらわな」と言ってくれる人が現れました。嬉しかったですね。

遠方からのリゾート客をはじめ、室戸市や徳島県からもお客さんが来るようになり、時間はかかりましたがマッサージ店の経営が安定するようになりました。

今でもたまに、海へ行きます。海に入ると、なぜか気分がスッキリするんです。
海中で手をバタバタさせてみたり、サーフボードの上にゴロリと転がって手で漕ぐだけでも、手のひらの水の感触が気持ちいい。悪い気のようなものが溶けて流れて、心がリセットされる感覚があります。

東洋町 嶋田さん ひがしこうち 2021 海

子どもと一緒に育っていった 地域への愛着。

私の娘は、東洋町で生まれました。
里帰りせずにこの町で出産して、夫婦ふたりでなんとか育てねばと死に物狂いになっていたら、地域の人がたくさん手を差し伸べてくれました。

顔見知りのお年寄りや近所の人が「大変やろ」とおかずを持ってきてくれたり、誰だかわからないけれど玄関に野菜を置いて行ってくれる人もいました。その時の周囲の人の優しさは、涙が出るほどうれしかったです。

私が今、防災士や消防団など地域の役割を精一杯こなしている原動力は、その時の感謝が大きいかもしれません。毎日大変だったあの頃、私が気づいてないところでもきっと多くの人の気配りがあって、私たちを助けてくれていたのだと思います。その嬉しさを思い出すと、地域の仕事にもつい熱が入ります。

地元の人と一緒に、集落支援の仕事をしたり放課後子ども教室を手伝ったりしていると、不思議なことに疲れるどころか楽しくなってくるんです。地域からパワーをもらっているみたいに。

ひがしこうち 東洋町 嶋田さん 2021



家族との愛しい時間。

娘は今、小学3年生。クラスメイト8人、全校児童をあわせても40人足らずの小さな学校に元気に通っています。私が育った大阪と比べると子どもの数が少ないので、もし将来都会に出たとき、大勢の人を前にして尻込みするのではと、ちょっと心配。誰に会ってもものおじしないで、必ず「こんにちは」と言うように教えています。

よくしゃべる子で、自宅にいると寝る時間までずっと娘のおしゃべりが続きます。私にとってはとても心地よい時間です。

おしゃべりと言えば、去年のクリスマス会の出し物で、娘が友達と2人で漫才をやりました。台本を書いたのは夫。かなり練習をしたおかげか大受けで、地域の人たちからおひねりまでいただいて、みんなで大喜びしました。家族みんなが地元の方に受け入れられて、特に娘が可愛がってもらえているのを見るのは嬉しいです。

東洋町 ひがしこうち 嶋田さん 2021



おすすめ記事

オススメコンテンツ

イベント情報や支援情報など、
最新の情報をメールでお知らせします!

Go Top