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「農作業で元気な高齢者を増やそう」
農業振興のロールモデルとして注目を集める事業者を地元スタッフがご紹介
高知県三原村にあるシシトウ栽培の農事組合法人「三原やまびこ」。
ここは中山間地域における農業振興のロールモデルとして長年注目を集めています。
高齢者が参加しやすい「好きな時に好きなだけ働ける」システムを構築したことで、
地域住民の憩いの場を生み出し、安定した収入の確保も実現しています。
代表理事の岩井清さん(73)は、当初シシトウ栽培や農業経営について
全くの素人だったにもかかわらず、1年目から売り上げ1,000万円を達成。
現在も安定した経営を維持しつつも、岩井さん自身が高齢となったため、後継者を探しています。
“高齢者の生きがいづくり”として新しい農業ハウスの可能性を広げている当法人の成り立ちと、
未来の後継者へのメッセージを伺いました。
代表の岩井さん。おとめ座O型。好きなシシトウ料理は奥様手作りの佃煮
代表理事・岩井清さんインタビュー
愉快に仲良く朗らかに
—法人設立までの経緯や想いを教えてください
「元々は
「集落活動センターやまびこ」の設立に携わった際に、シシトウを栽培する生産部創設を提案したことが始まりです。『老人ホームよりも農作業で元気な高齢者を増やそう!』という想いから、重労働はできなくても、手作業ならできる高齢者の皆さんを巻き込んだ、集落生産活動システムを作りました。その後、県や村の支援を受けて2016年12月に農事組合法人「三原やまびこ」を設立し、広さ20アールの8棟のビニールハウスでシシトウを栽培しています。ハウスのリース料は年間約22万円という安さ。出荷先はJAで、全国の都市へ安定した価格で販売されるし、販売先の確保も心配する必要がないので生産に集中できます。栽培ノウハウは農業振興センターの人が指導してくれました。何も知らないことがこれ幸い、ロボットになって“はい、わかりました”と聞くことができた。今も熱心に週1回指導に来てくれますよ」
— なぜシシトウなんですか?
「小指程度の大きさで、軽いし作業もしやすい。オクラだと痒くなったりするけどその心配もない。作業も汚れずきれいにできる点もいい。何よりずーっと長らく収穫できるのが狙い。去年、一昨年と年間10万パック生産できている。3年前から「辛くないシシトウ」の生産にチャレンジしていて、来年度からは全てのハウスで栽培する予定です。作業は奥さんと地元の70歳~85歳のシニア十数名で仲良くやっています。皆さん設立当初からずっと働いてくれています」
— 仕組みについて教えてください
「収穫1キロ200円、パック詰めは1パック20円の出来高払いで、収入は月6~7万円、多い人だと9万円くらいになる人も。得た収入で冷蔵庫やエアコンを購入したり、孫にお小遣いをやったりと使い道はそれぞれ。好きな時間に好きなだけ働ける仕組みだから、食事の準備のために一旦家に帰る人もおるし、用事があれば自由に休める。ノルマや時間制限がないので自分のペースで気ままにできます」
— ビニールハウスから愉快な音が聞こえてきましたが、、、?
「ラジオや音楽を流しながら作業しています。YouTubeで歌謡曲を流した時は、皆さんが「久しぶりにええ声聞いた」と喜んでくれます。最近は日本昔ばなしが好評で、「いよいよ良かった」と言ってくれました」
— みなさん本当に仲が良くお元気ですね!
「“愉快に仲良く朗らかに”をモットーにしています。収穫後はティータイムになるんよ。『お菓子を貰ったよ』、『スイカができたよ』、『トマト持ってきたよ』とお裾分けし合って和気あいあい。毎年秋にはあちこち旅行もしています。皆さん口を揃えて『ここに来よるけん生きがいになるし、健康管理にも良い』と言ってくれる。朗らかな良いチームです」
地域へ恩返しがしたい
— 原動力は何ですか?
「3歳の時に父親が亡くなり、以来近所や親戚の人たちからの恩恵を受けながら育ってきた。しかも中学しか出ていないが、農協職員として雇ってもらい、すこぶる陽の当たる道を歩ませてもらった。能力もない、体力もない自分が、有難いなぁ、恵まれて幸せだなぁという思いです。いつかは地域に恩返しがしたいという気持ちが幼いころからずっと根底にあった」
— メンバーの方が『岩井さんは一番大切な方。仕事をさせてくれて有難い』と感謝されていました
「自分は“今日も仕事があって愉快だな、今日も元気でよかったね”と思い過ごしている。それも皆さんのおかげ。僕が一番助けてもらっている。せっかく築き上げてきたので、今後はこのビニールハウスを引き継いでくれる人を見つけたい」
未来に繋げてくれる後継者を募集中‼
愛情をもってサポートする
— 後継者を探しているんですね「自分も年なので、元気なうちにバトンタッチできる人を探したいと思っている。僕の場合は恩返しがしたいという柱があるから福祉活動に重点を置いているが、自分の想いやスタイルを押し付ける事は今の時代にも反していると思う。僕のロボットを用意するがじゃないし、言いなりにするつもりもない。それはだめじゃ思う。後継者のカラーもあるだろうしね。“いい施設といい環境があるから興味のある方はウェルカムよ”という考えです。シシトウにも拘らないし本人が作りたいものでいい。これは皆さんも同じ想い。必要であれば、“わしらぁで良かったら継続して働けたら有難いね”という感じで、今の働き方ができなくても未練も何もないと言ってくれている」
— どのような方を求めていますか?
「果敢に挑む力がある人がいいね。人生70年余り生きてきたが、時代とともに潰れる産業も見てきた。時代に即してスイッチできる即応力がほしい。シシトウじゃなくても良いと思うのはそこ。もちろんシシトウの利点も伝えるし、経営ノウハウもこれまで写真やデータに記録しているのも含めてしっかりと指導できる。農業はたくさんの魅力が秘められているし、工夫次第で希望が持てる仕事だと思っている。愛情を持ってサポートしたい」
「足るを知る」
— 生まれも育ちも三原村の岩井さんにとって、三原村の魅力は何ですか? 「皆さんがすごく仲の良い村で、人を思いやる気持ちが強いです。僕が住む宮奈呂(みやなろ)地区は、皆が兄弟みたいに応援しあって、すごく助けてもらっています。他から来た人も、“ここは仲の良さ、絆の深さが一段と違う”と言ってくれます。あとは自然が豊かなところ。ハウスの前を流れる川では鮎や鰻も獲れるし、お米も美味しい場所です。ここでは心豊かに過ごせると思う。貧乏な村じゃけど幸せです。お金というのはいくらあっても欲しかったら永遠に満足はようせん。色々な考え方があるけど、お金は使える分だけあればいい。僕は「足るを知る」を大切にしている。健康で元気な事が何といっても一番幸せ。まずはぜひ一度来てみてください。お待ちしています。」
三原村ってこんなところ
四国の中でも最南端、かつ最西端に位置する三原村は東京から時間的距離が最も遠いと言われています。
大きなビルやショッピングモール、いつでも空いているコンビニはないけれど、たくさんの情報・モノに溢れた今の時代だからこそ、四季を日常に感じながら生活できる“豊さ”をより体感することができます。
古き良き田舎の風景が広がっている三原村ですが、近隣の市街地までは車で30分程で行き来が可能です。
また村内には、日用品や食品など生活必需品が手に入るお買い物処
「みはらのじまんや」、
地域のお母さんたちによる手作り料理が味わえる
「やまびこカフェ」などがあります。
また、昔ながらの暮らしが体験できる
「農家民宿」では、郷土料理と村の人々との触れ合いを楽しめます。
さらに、教育・子育て環境では学習面と経済的支援の両面から手厚く支援しているのも特徴。お試し移住や空き家再生住宅などの住まいサポートや就職支援も行っています。お気軽にお問合せください♪
【移住情報サイト】三原村で暮らそう
お問い合わせ先
〒787-0892 高知県幡多郡三原村来栖野346
三原村役場 地域振興課
TEL:
088-046-2111
MAIL:
shinkou@vill.mihara.lg.jp
当サイトでは、高知へのUIターンに役立つ最新情報を発信しているほか、各市町村の魅力情報もお伝えしてまいります。ご感想、ご質問は高知県移住コンシェルジュまでお気軽にお寄せください。