移住者インタビュー

四国一小さな町の人が好き

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震災時、東京で大勢がパニックになっているのを見て、田舎への移住を決意した下元さんのインタビューです。

下元 祥世さん

  • 出身地:高知県
  • 現住所:田野町
  • 移住年:2013年
  • 職業:地域おこし協力隊

―田舎へ行こうと思ったきっかけは?

高知に住んでいた頃は地域のコミュニティーがあまり好きではなく窮屈に感じていたんです。都会ではいい意味でも悪い意味でも、「ほったらかし」なので、都会の生活はすごく「楽」でした。ただ、こんなに楽な人間関係で暮らしていって大丈夫なのかなという疑問が出てきました。
震災の時、東京では沢山の人がパニックになっているのを目の当たりにしました。駅前には指一本入れられないほど人が押し寄せて、人が動くたびに地響きがする異様な光景がすごく恐ろしく感じたんです。止まったままの電車の中で長時間ぎゅうぎゅう詰め。量販店の飲料やインスタント食品、トイレットペーパー類は在庫切れ。いくら最先端と言ってもこんなにもろく、日常生活が簡単に壊れてしまって何かあった時に生きていけるのか不安になってきました。そんな時、経済破綻や天災などがあった時でも「生きていけるのは田舎なのかな。」と思ったのがきっかけでした。

―田野町を選んだ理由

高知にUターンして活躍されている町田美紀さんが銀座で開催された「ALADDIN -stick spice-のテストマーケティング&交流会」に参加したのがきっかけで、高知県に帰るのも一つの選択肢かなと思いました。その後「高知県移住相談会」に参加し、田野町が地域おこし協力隊を募集していることを知りました。他にも沢山の市町村が来ていましたが、担当者が若くて話しやすかったのと、役場職員の平均年齢が30台前半と若く、意思疎通がしやすいだろうなという印象を持ち田野町に決めました。あとは「四国で一番ちいさな町」というフレーズもインパクトが大きく、美味しい農畜産物や、人が、ギュッと詰まった町だという点も決め手です。

―活動内容

現在、月の1/3は田野町完全天日塩製塩体験施設で予約の受け付けや、見学・体験などの受け入れをしています。残りの時間は自分で地域に入って、地域のイベントの段取りや商品作りの手伝いをおこなったりしています。そのお手伝いを通して「大野倶楽部」での企画運営などの活動が多くなってきました。
田野中学校で約60年間続く、「桃山茶園」という茶園の茶葉を使って、大野倶楽部の女性陣が焼いたシフォンケーキを販売するとか、全く新しいものを作るのではなく、今あるものを活かせるよう工夫しています。
この他、地域のイベントで販売される手づくり商品のラッピングを工夫したり、商品ラベルや正確な食品表示シールを作成・貼付けしたり、原材料や資材をどこにどれだけ頼めば安くなるかなど、細かい段取りを担当しています。
商品の中には原価を割ってしまうほどの価格に設定されているものもあったので、しっかり数字を意識して、ボランティアとしてのイベントと、商売としてのイベントとを分ける意識を持ってもらえるように試行錯誤しています。
地域に入って住民の方としっかり向き合うことで、畑や家を紹介してもらって貸してもらえるようになりました。皆さんの困っていることを解消できるよう心掛けて活動しています。

―今後の活動について

第一期生としての事例を作ること。
今後の協力隊希望者や移住希望者へ情報発信していくこと。
3年後田野町で仕事を作り生活できるようにすること。です!
組織はあるけど、継続して運営していく人がいないとか、いろいろと細かい段取りをする人がいないとか、地域の困っていることを探してビジネスにしていきたいですね。
その為には今の地域密着の仕事の中にも、戦略や経営能力、管理能力などが必要になってきます。教養・知識を身につけるために、6月から12月まで夜間・土日を利用して「土佐まるごとビジネスアカデミー」に通って勉強もしていました。引き続き、国や県の制度も活用して、勉強しながら実践していきたいと思っています。

―田野町の魅力・協力隊を通して感じた魅力

「人」ですね!食べ物や水が美味しくて、空気や景観がきれいというのは、田舎だったらどこも似たようなものだと思うけど、すごく、おおらかな人が多いです!田野町は遮るものがなく日照時間がすごく長いからなのかな(笑)
イベントの準備をする時は、朝早くから地域のみんなで協力して準備を進めて、その合間に一旦家に帰って家族のご飯を作ったり、畑仕事したり。本当に皆さんよく働きます!よく働くぶん、よく飲みますが(笑)
そんな人に囲まれていたら、私も負けてられないですよね!
「働くように生きる」というか「生きるように働く」というか、そのボーダレス感がたまらなく好きです。
特に田野町では、コミュニティーの中で「地域をなんとかしたい」と考えている人が多い気がします。田野町に来るまでは「田舎は狭い世界しか知らないんだろう」と思っていましたが、逃げも隠れもできない環境で、深く長く人とつきあっていくことは「すごいな!人っていいな」って思うようになりました。

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―地域おこし協力隊を目指す方にメッセージ

自分で仕事になりそうなものを見つけることが大切だと思います。
私もいろんな地域である程度継続的に続いている取組みなどを勉強しに行って、田野町に活かせるものはないかという視点を持って活動しています。
「やるって決めるか、決めないか。」「やってみようかな」ではなく、「やる」と決心することも大切ですね!やれば、なんとかなる、なんとかできる!そういう気持ちで頑張ってほしいです!

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