移住者インタビュー

輪の中に入ってしまうと家族同様に思ってもらえるのが嬉しいですね。

  • 掲載日:2013.03.28
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小杉 正樹さん

  • 出身地:千葉県
  • 現住所:黒潮町
  • 移住年:2007年

Q.移住前のお仕事を教えてください。

千葉県にいる時は、ユニフォームや作業用品を売るお店の経営をしていました。高知でいうとワークウェイみたいな感じですね。
親がやっていた商売を引き継いだんですが、高知県に行くのと同時にお店は閉めました。

Q.農業をしようと思ったきっかけを教えてください。

当時僕が30歳だった頃、妻の親戚の農家さんで田植えの手伝いをさせてもらった事があり、その時に今までにない充実感と開放感が、自分の中の何かを変えるきっかけになりました。
農業こそが自分の生き方に合っているのではないだろうか?
そんな思いがつのり、妻にその事を話すと納得し賛同してくれたので、決意しました。

Q.高知県を選んだ理由を教えてください。

移住を決めてから「新・農業人フェア」というイベントが都内で行われているのを知り、夫婦で足を運びました。

正直言うと、農業ができれば場所はどこでも良かったんです。妻に寒い所だけはイヤだと言われましたが(笑) 流通だけの事を考えれば千葉や埼玉が断然有利ですが、冒険心といいますか、知らない土地で1からスタートしたいという思いが強かったです。

そこで一度も行った事がなく、ミステリアスな雰囲気のある四国という場所に興味を持ち、高知県ブースで話を聞いてみると職員の方が高知県の魅力をアピールしてくれ、その深い郷土愛にとても驚かされました。
意気投合して話をしていると「農業をやるんだったらウチの学校(窪川アグリ体験塾)に来てみないか」という誘いを受け、高知県に行こうと決めました。

Q.就農までの経緯、苦労等を教えてください。

高知へ来て、初めの1年間は窪川アグリ体験塾での研修期間でした。 研修といっても1から10まで教えてくれる訳ではなく、好きな事をやりなさいというスタイルで、正直いうと学校での勉強は現場ではあまり活かされませんでした。
しかし、学校を拠点にいろんな農家さんを見て回れた事は今後の仕事に大いに役立ちました。

学校の研修以外にも、週に1度農業の現場に居させてもらい、実際に農業をしている先輩に具体的に教わった事は貴重な体験でした。

そして1年の研修が終わり、学校を卒業したらいよいよ就農です。

まずは家とハウスを借りなければ仕事が出来ませんが、この町には不動産屋が無い上に知り合いがいないので、初めは役場や農協に足を運びました。
しかし、どこに空きハウスや空き家があるか等、詳しい事は分からないとの事ですごく困りました。

悠々自適の田舎暮らしを望んでいた訳ではなく、職業としての農業を目指してきましたから大変なのは覚悟していましたが、高知県に来る前は農地は余っていて簡単に見つかるものだと思っていたので、なかなか見つからず焦りました。

そこで、「大方町でハウスをやりたいんですが、どこかいい所はありませんか?」と地元の農家の方々に声をかけ、情報収集をしました。
今のハウスと家を紹介してくれたのも地元の方です。

Q.ハウスではどのような体制で作業していますか?また何を作っていますか?

今は妻と2人、ハウスでキュウリを作っています。
1年のサイクルとしては10月に植えて6月の収穫で終わりですが、農作業というのは休みがないので10月に植えて以来1日も休んでないですね。
朝7時半頃~日が暮れるまで毎日作業しています。
7月~10月の農閑期に来期の為の土づくりをするんですが、その時に少し休もうかと思っています。

今はキュウリを作っていますが、初めはキュウリ嫌だったんですよ(笑)
学校に行っている時は「アスパラ、パプリカ、いちご等いろんなものを作ってみたい」と思ってました。
しかし、実際にはじめてみると奥が深くてやりがいがありますね。
「何を作るか」ではなく「どう作るか」が大事だと気が付きました。
どう世話をすればキチンと育つか、どれだけ手をかけて育てられるかが大事だと思います。

それと、このあたりの農家さんはキュウリを作っている人が多いので、何か分からない事があればアドバイスをもらっています。
先生が沢山いる学校に来た生徒みたいです(笑)

経験も知識もない中、毎日手探りで作業しているので、明日どうなるか分からないという不安はあります。
しかし、自分で決めた事なので前向きにやっていこうと思います。

Q.地元の方とのお付き合いはどうですか?

千葉にいる時は近所付き合いはほとんどありませんでしたが、増えましたね。
こっちは人と人との繋がりが濃いです。
あと、お酒を飲む機会が増えました(笑)
千葉にいた頃は飲まなかったんですが、ここではお酒の席が交流の場ですからね。

その他にも、海に、山に、釣りにと色んな所に連れて行ってもらえます。この前も山いも堀りに連れて行ってもらいました。
輪の中に入ってしまうと家族同様に思ってもらえるのが嬉しいですね。

「お前は皆の事知らないけど、皆はお前の事を知ってるから誰か分からなくてもとりあえず挨拶しておけ」というアドバイスも、もらいました。

Q.千葉での生活と比べてどうですか?

ストレスはゼロになりました。
自分の好きな事をやっているので、充実感や満足感はありますね。
正直、収入はかなり減りましたけどね。
でも、今僕たちはお金に価値を求めてないです。
何の仕事するにも大変だと思うんです、どうせ大変な思いをするならいい環境でと思います。

Q.月々の生活費はどれ位ですか?

夫婦で10万円位ですね。その内、家賃は4万円です。
千葉にいる頃から比べると随分減りました。

Q.これからの目標を教えてください。

今のハウスの広さでは食べていけないと先輩方に言われているので、慣れてきたら広げていきます。
高知県に来て2年になりますが、今年が初めての収穫なので収入は一切なく、千葉時代にためていたお金で生活しています。
今のお金もいずれは無くなってしまうので、とりあえずは夫婦2人で300万円の年収を目指しています。

Q.移住者に向けてアドバイスをお願いします

僕の場合、生業としての農業を選んだ時から、カウントダウンでその為に何をしたらいいのかを考えて行動し、それに向けてお金を貯めました。
「何作りたい」とか「どこでやりたい」というのは後で考えればいいと思いますが、千葉にいる時にできる事はお金を貯める事だけですからね。
設備投資もそうですが、はじめの数年間食べていけるだけの蓄えが必要です。
移住先へ行って「農業したいです、でもお金はありません」では農業をしている方にも失礼ですしね。

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