一覧へ戻る
トップクラスのスポーツ指導は、都会でしか受けられないと思っていませんか?そのような固定概念を大きく覆す場所が、土佐清水市にあります。それが、兵庫県からUターンした宮本さんが代表を務める硬式テニスクラブ「FSS.tennis-team」。ここでは、地域の魅力と外の刺激を掛け合わせた、温かさと熱意あふれる充実の指導が行われていました。
宮本海帆さん
- 出身地:土佐清水市
- 現住所:土佐清水市
- 移住年:2012年
- 職業:硬式テニスクラブ「FSS.tennis-team」代表
宮本さんインタビュー
テニスの指導を行うためにUターン
5歳の時にテニスを始め、本格的に取り組んだのは小学校6年生からです。
父親(
幼児体育講師・宮本忠男さん)が硬式テニスクラブ
「FSS.tennis-team」を立ち上げたことがきっかけでした。当時、硬式テニスをする環境がなかった土佐清水市にテニスクラブを作りたいという父の想いから始まりましたが、「FSS」の名前の由来は「フリースクール清水」。いろいろな子を受け入れる場という意味合いも持っています。
中学校までは地元の土佐清水市で育ち、高校からはスポーツに力を入れている高知市の高校に進学し県大会優勝も経験しました。その後、兵庫県の大学でスポーツ心理学を専攻し、テニス部に所属して元プロテニスプレイヤーの宮地弘太郎監督に大学4年間指導してもらいました。教員免許を取得しましたが、大学進学時から卒業したら父のテニスクラブで指導者になろうと考えていたのでUターン。自分には都会の空気より、趣味のサーフィンも楽しめる地元の豊かな自然環境が合っていたのも戻った理由ですね。
現在は「FSS.tennis-team」の代表として小学生から高校生までを指導しています。テニスクラブは平日夕方からと土日の活動なので、平日は高校講師や祖母が経営する
「寿屋クリーニング」店の手伝いなどを行う毎日です。
目指すは日本一のチーム
東京から一番遠いと言われる場所であり、硬式テニス人口の少ない土佐清水市では『外を知らない』ということが弱みになります。
しかし、世界で活躍するトレーナーの指導が受けられる環境を整えています。
女子プロテニスプレイヤーの
加藤未唯選手やインターハイ団体3位の成績を誇る大商学園高等学校(大阪府)のフィジカルトレーナーを務める
横山正吾さん、理学療法士でテニス選手の海外遠征もサポートしている
西川匠トレーナーとはご縁があり、定期的に指導に来てもらっています。テニスクラブでの日々の練習メニューは、アップからトレーニング、クールダウンまで全国優勝を目指す強豪・大商学園高等学校と全く同じもの。大会当日もルーティーンとして行っています。そのため、その高校へ遠征した際は、もちろん実力差はありますが、練習内容にはついていけるんですよ。
また、中学生と高校生は毎週のように週末は県内外に遠征して、練習試合をしています。
テニスという球技は、いろいろな相手と打ち合って様々な球種に出会い、そのボールに対応しながら自分の技や戦術が通用することを学びます。いつも同じ仲間の球を打っていても試合で結果を出すことは難しいため、練習試合を数多く経験し自分の技の有効性を見いだすことが大切だと考えています。また、試合で「いつも」のプレーをするためには、「場慣れ」をしておくことが大切になります。練習試合などを計画的に取り入れて、試合と似た状況でテニスをすることを繰り返し、上手くいかなかった技術を練習する“コツとカン”の指導方法を高めていきたいと思います。『土佐清水市で日本一のテニスチームをつくる』ことを本気で目指しています。
プロが認める充実した環境
実は土佐清水市は、プロも認めるテニスに適した場所なんです。
指導に来ていただいている両トレーナーからも、そのように評価をいただいています。
年間を通して温暖な気候と豊かな自然環境、そして充実した施設環境が揃っています。例えばすぐ近くの
大岐の浜で体づくりに効果的な砂浜トレーニングができる事も強みですし、練習場の
「総合型地域スポーツクラブ・スクラム」は6面のテニスコートがあり、雨の日はすぐ横の体育館で練習が可能です。さらに充実したトレーニング設備も揃っており、このような恵まれた環境は県内でも他にないのではないでしょうか。
気持ちに寄り添う指導法
テニスの指導では「スポーツ運動学」と「運動心理学」を取り入れています。
「スポーツ運動学」とは、その子の気持ちになって行う指導法のこと。できない理由を、その子の立場に立って探っていくのです。野球経験のある子なら野球に例えて説明したり、ホースなどの道具を使ってわかりやすく実演したり、一人ひとりが理解しやすい指導を心掛けていますね。
また、「運動心理学」ではメンタルトレーニングを実施しています。日頃からどんな目標を立てて試合や練習をしているかを理解しておくことが大切になるので、小学校6年生の後半頃からは月1回、試合前などに目標設定シートを作成しています。試合後には課題や気付きなどの振り返りを書いてもらって、生徒一人ひとりにコメントを返しています。これは、生徒・指導者・保護者の3者で共有しているんです。
子どもたちは親に見られることを最初は恥ずかしかっていましたが、保護者からは子どもが今、何を目指しているかを理解できたことで、親子関係が良くなったと聞いています。
例えば、親は優勝を目指しているけれど、子どもの目標は違うといったギャップがある場合、親子でもめてしまう場合もありますよね。子どもの気持ちを知り尊重できたことで、良好な家族関係を築くことにも繋がっています。
また、小学生の頃から通っている子どもたちも多いので、付き合いも長期にわたります。遠征へは自分が運転して皆で移動するので、家族くらい一緒にいるよね、なんて会話も。
だからこそ一人ひとりに寄り添い、その子の気持ちに気づくということを大切にしています。
共に目標に向かい喜び合える関係でいたい、という想いから一方的に押さえつける指導ではなく、選手ファーストを心がけています。日々楽しくテニスに取り組み、刺激は遠征先でもらってくる。そんなスタイルがいいんじゃないかと思っています。
幡多地域初!地元高校で硬式テニス部が発足
昨春、地元の清水高校に念願だった硬式テニス部が創部しました。
これまでは、高校でも硬式テニスを続けたい子は市外へ進学するしかありませんでしたが、小学校6年生からテニスクラブに通っている同級生4人が中学3年生になった時、『みんなで清水高校に進学してインターハイを目指したい』という目標を持ちました。それがきっかけとなり、学校にも掛け合い、無事に生徒の想いが実って、
幡多(はた)地域では初となる硬式テニス部が発足したのです。
地元で仲間と一緒にテニスを続けられるというのは大きいこと。そして、インターハイを目指すという目標ができたことで、子どもたちの姿勢も変わったと思います。私も清水高校の部活動指導員として引き続き指導することができています。これまでは個々の目標でしたが、みんなのために頑張りたいという気持ちからの「やる気」は継続しやすいものです。昨年5月のインターハイ予選では、「勝つことに本気で取り組む姿勢に感動した」という声を、高校の先生や地域の皆さんからいただきました。
22年間つないできたバトン
2024年、「FSS.tennis-team」は創立して22年を迎えました。生徒は土佐清水市に限らず遠方から通う子もいます。県トップクラスの選手も高知市内から練習に参加していて、清水高校への進学を検討しています。
また不登校だった生徒は、今では市外の高校に進学しインターハイ出場を果たすまでに成長してくれました。
OB・OGは帰省の度に必ず顔を出し、後輩たちに指導をしてくれます。
初心者からスタートした生徒ばかりですが、先輩たちから後輩たちへバトンが渡り、様々な大会で優勝や上位入賞などの結果を残しています。ここ数年は「土佐清水市スポーツ賞」も受賞しています。これは、県大会優勝などの成績を残した人や、長らくスポーツを通じて地域を盛り上げ貢献した人を表彰するものです。
そして昨年10月、清水高校として初めて全国選抜県予選(県高校冬季新人大会)に出場し、女子団体「準優勝」という成績で四国大会出場を決めました。高校生になって初めての大きな結果に繋がりました。これからも高みを目指して頑張っていきます。
そして、生徒1人ひとりのことをしっかり見て考え、その子にとって人生の大切な1ページになるような思い出や経験が増えるように、毎日を大切に指導していきたいと思います。
土佐清水市はやさしさのある町
Uターンを経て感じることは、土佐清水市は温かい町だということです。子どもたちも素直ですね。毎日のように練習をしているテニスコートの隣では地域の大人たちもテニスをしています。その大人たちが、子どもたちの練習に付き合ってくれるのです。地域の方の温かい気持ちやサポートがあるからこそ、活動できています。
生徒へもインタビューしました!
仲間の存在があるから頑張れる
山本さん(中学生) ― テニスクラブは、本当に楽しいです。最高!そして、海帆くんは自分たちの課題にしっかり向き合ってくれて、めちゃめちゃ優しいです。
これまでの私は中途半端に終わらせてしまうタイプでしたが、みんなと一緒にやることで目標ができて、集中できるようになりました。
目標設定シートは、気づいたら文字が埋まっています。親に共有するのは、始めはめっちゃ恥ずかしかったけど、わかってくれているというのはうれしい。友達と遊びたいと思う日もあるけれど、とにかくテニスが楽しいです。
新谷さん(高校生) ― 毎日めっちゃ楽しいです。小学校から一緒にテニスをしてきた仲間と清水高校に進学したので、仲間の存在がとても大切です。昨年のインターハイ予選は初めてで、なかなかうまくいきませんでしたが、それでみんな火がつきました。明るくて雰囲気の良いチームだと思います。
宮本先生はフレンドリーで優しく話しやすい人。感謝の言葉を直接伝える機会はなかなかないですが、みんな先生のことが大好きで感謝しています。私たちのことを信じてサポートしてくれるので、『頑張ろう、もっと強くなりたい』という気持ちになれています。
そして、地域の方や先生たちも応援してくれていて、温かい土佐清水市が大好きです。
「海帆くん」と名前で呼ばれる宮本さん。子どもたちとの関係性を実感できる瞬間でした。また保護者からは、「本当に熱心ないい先生。とてもお世話になっている」という感謝の言葉を聞き、生徒・保護者・指導者の信頼関係の強さを実感しました。
何より生徒さんが心からスポーツを楽しみ、仲間を思いやり、応援してくれる地域の人を想い、目標に向かって努力する姿には胸を打たれます。近い未来にインターハイ出場を叶え、『土佐清水市から日本一のチーム』が誕生する日が楽しみです。進化し続ける「FSS.tennis-team」から目が離せません。お試しレッスンなども実施していますので、ご興味のある方は一度ご連絡してみてはいかがでしょうか?
▶FSS.tennis-team #Instagram #Facebook
▶なつかし暮らし土佐清水
また「土佐清水市が気になる」「もっと魅力を知りたい!」という方には、
オンライン相談もおススメ!遠方からでも、移住相談員と気軽にお互いの顔を合わせた相談が可能です♪
「移住って楽しそう!」が実感できる!(in東京&大阪)
移住×交流イベント
2025年1月18日(土)、1月19日(日)
高知暮らしフェア2024冬を開催します。
高知県最大のU・Iターンイベント「高知暮らしフェア」を東京と大阪で開催します✨
会場には「土佐清水市」のスタッフはじめ、全市町村の移住担当者が勢ぞろい!
まずは高知の魅力に触れてみませんか?
ここでの出会いが、あなたの転機となるかもしれません✨
事前予約はこちらから
「つながるところから」はじめてみましょう!(in鎌倉)
つながりづくりから移住情報まで!
2025年2月8日(土)
ハタカラキャラバンを開催♪
高知の端っこから個性豊かなメンバーが「鎌倉」に集結♪✨
美味しい高知の食べ物をつまみながら、楽しいワクワクする出会いを。
地域で何か関わりを探している人や、地方移住や高知に興味がある人もこの機会に、キャラバンのみなさんと交流してみませんか?
詳細はこちら
※この記事は、2025年1月8日時点の情報を掲載しております。