移住者インタビュー

【南国市】犬とともに、ものづくりを暮らしの真ん中に

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南国市の地域おこし協力隊OG尾本彩さんに、ものづくりへの思い、フリーミッションの地域おこし協力隊のご経験をインタビューしました!

尾本彩さん

  • 出身地:高知市
  • 現住所:南国市
  • 移住年:2018年
  • 職業:Sewing atelier NUINUI代表

高知に魅了されたご主人と、故郷の高知へ

高知への移住は、完全に主人の一存です(笑)
当時主人は都会での暮らしにしんどさを感じていました。とにかく通勤電車が嫌だったんです。人が多くて仕事に行くだけで嫌になる。
京都出身の夫は、私と高知に帰省をする度に、「高知はのんびりしていて良いな。」「いつか移住したいな。」と思っていたようです。
そんな中、2018年6月に大阪府北部地震が起こったんです。通勤時間帯を直撃したため、私鉄もJRも全てストップ。主人は4時間電車に閉じ込められました。体調不良で運ばれる人が沢山いて。ライフラインがストップしたら、都会は何もできない所だなと感じたそうです。この地震が決定打となり、高知に移住したいと。
私自身は都会の生活を楽しんでいましたし、高知には仕事が無いと思っていたので、「仕事が決まったらね。」と言いました。高知では南海トラフ地震の心配がありますが、高知でなくとも自然災害は発生しますし、主人の気持ちも理解はしていたので、2人で2018年の夏の高知暮らしフェアに行ってみました。
その後、幸いにも夫婦ともに仕事が見つかり、移住することになったのです。

フリーミッションの地域おこし協力隊へ

高知にUターンを決めた頃は、ドッグウェア等を扱う会社で働いていました。その会社は、ワンちゃんと⼀緒に着られるというコンセプトで、⼈間⽤の服やバッグも作っていました。元々ソーイングで何かできないかと考えていたところ、丁度南国市の地域おこし協力隊で“ものづくりで中⼼市街地活性化”というフリーミッションの案件を見つけ、「私が今やりたい事はこれかもしれん。」と思って応募したんです。
無事、地域おこし協力隊としての採用が決まり、そこで現在の「ごめんく(旧ものづくりアトリエtete)」で毎月ソーイングを通じたものづくりのワークショップを始めました。その後、ものづくりの良さや楽しさを、作る側もそれを使う側も体感して欲しいという思いで、「ごめんteteマルシェ」を⽴ち上げました。作家さんの「⼿(te)」からお客さんの「⼿(te)」へたくさんの「⼿(te)」 が繋がって、ものづくりで沢⼭のあたたかさに触れてもらいたいという思いを名前に込めたのです。

▼ごめんく(旧ものづくりアトリエtete)▼
https://www.nankoku-kankou.jp/life/dtl.php?hdnKey=1111

放課後手芸クラブで子どもたちにものづくりを

地域おこし協力隊として活動する中で、南国市内のある⼩学校で1番⼈気だった⼿芸クラブが無くなったという話を聞きました。理由は⼿芸クラブの活動費に賛同が得られないご家庭があったからとのこと。じゃあここで放課後⼿芸クラブをやってみたらどうかと、⼿芸⽤品を取り扱う企業と、ミシン販売の企業に協賛をお願いしたところ、「次世代のものづくりをしたい若い⼦達を育成するのなら喜んで。」と、ご協力くださることに。
南国市内の⼩学校5、6年⽣を対象に募集して開催したので、違う⼩学校のお友達との交流の機会にもなったようです。作ったのはミサンガやポーチ。⼥の⼦達ってそういうの⼤好きなんですよ。⾊んな工夫を加えて友達同⼠で⾒せ合ったり。協賛していただいた材料を使い、協⼒隊の活動費から費⽤を捻出して、⼦ども達には⼀切負担は無かったので、お⺟さん達もすごく喜んでくれて、「ぜひ これからも続けてください。」と。
放課後⼿芸クラブに参加した⼥の⼦からは、「私もものづくりやりたい!」「マルシェに出店したい!」という声が上がりました。どんな物を作るかを⼀緒に考えて、アクセサリーとかなら売れるかもとなり、自作のアクセサリーでteteマルシェに出店してくれました。実際にとてもよく売れていました。

地域おこし協力隊の任期終了後は、自宅でソーイング教室を開校(起業)

その当時⼤型⽝を飼ってたんです。仕事の間はワンちゃんと離れてるわけですが、できればずっとワンちゃんと⼀緒にいれたら良いなと思っていました。家でできる仕事だと⼀緒にいられる時間が増えるなあと思って、自宅でソーイング教室を開業することにしました。
⾃分の⼒で学んできた事を⼈に教える事で、誰かの役に⽴っていると感じますし、やって良かったなと思っています。現在は、20代から70代の⽅までの42名の⽅が通ってくださっています。ミシンを使った事が無くてゼロからという方もいれば、既に販売しているけれど独学でやってきたので基礎をきちんと学びたいという方もいます。
最近ご希望が多いのはドッグウェア作りです。教えている所が、四国内にはほぼ無い。うちは⽇本ドッグファッションデザイナーズ協会認定校で、私が認定講師でもあるので、⽣徒さんはここで認定資格を取ることができます。

▼尾本さんが代表を務めるソーイング教室 Sewing atelier NUINUI▼
https://www.inutokomorebisha.com/nuinui

命に関わる病気を経験し、大好きなソーイングの道へ

実は私、22歳の時に脳腫瘍が見つかったんです。その時には既に腫瘍が⼤きくなっていて、このままでは命が危ないと主治医に言われました。幸いにも名医による⼿術を受け、現在は後遺症もありません。命に関わるような病気を経験したことで、それまでは⾃分らしい生き方ができていなかったので、生まれ変わったと思って、もっと好きな事をして生きたいと考えるようになりました。
⺟親が縫製の仕事をやっていて、私も4歳くらいからミシンを使っていたので、物を作る仕事をしたいなあと思っていました。なので、病気を機に当時の仕事を辞めて縫製の学校に通うことにしたんです。卒業後はUターン直前まで勤めていたドッグウェア等を扱う会社に就職しました。

今後のビジョン

最近築100年の古⺠家を購⼊しました。今後はワンちゃんの洋服やグッズと観葉植物を取り扱う雑貨屋さんをやろうと思っています。ソーイング教室では作家養成コースもあり、作家を目指す生徒さんが様々な⽬標を持っているので、希望があれば生徒さんの作品も置いて委託販売もできるお店にしたいですね。商品が売れていくおもしろさや、売れるまでの一連の流れが⽬で⾒れるのを体感してもらいたいというのもあって。2階では引き続きソーイング教室やっていく予定です。
協⼒隊卒業後、起業の⼤変さも楽しさも経験しました。今は個⼈⾃営業で、⾃分のできる範囲の事しかできていませんが、ワンちゃんのお洋服が作れる職⼈を増やしたい、できれば介護や⼦育て中の方に、ご⾃宅で仕事をしていただくなどして、女性の就業支援に繋がれば良いなと思っています。

地域おこし協力隊にご興味もしくは応募を検討されている方へ

「私はこれができます。」と明確に言える人は、そのスキルをどう活かすかを考えることができますが、自分の得意な事ややりたい事が漠然としていると、あっという間に3年間が過ぎてしまいます。3年間のビジョンや事業計画をしっかり考えられる人でないと難しいと思います。
私は⾼知に来る前に全部考えて来たので、着任してすぐに「これを始める」とか、「これをしたいんですけどどうしたら良いですか。」とスムーズに尋ねることができました。
私の場合、12⽉に着任して、3⽉にワークショップを開始。7⽉には初めてのteteマルシェを開催できました。それが出来たのは事前に⾃分でビジョンを持っていて、3年間の計画があったから。ノープランのままで着任して、どんな事するか考えていこうなんて思っていたら、あっという間に任期が終わります。
私の3年間の計画の中には、⼦どもにソーイングを教えるということも、毎⽉ワークショップをして地域の⽅に認知してもらうこともありました。⾃分だったらこんな事ができるっていうものを、ある程度持った上で取り組んだら結果も出やすいし、迷わないんじゃないかと思います。
3年間の経験の中で、やりがいを沢⼭感じました。ワークショップやマルシェを開催したことで、地域の⼈が「いつも⼈がいっぱいで、すごく雰囲気良いよね。」と⾔って足を運んでくれるようになりました。地域の⼈の「雰囲気良い」は、最⾼に嬉しい⾔葉じゃないですか。「ああ、地域の⼈に認められた!」という気持ちにもなりました。

南国市の魅力

可能性がある町です。私の場合、ソーイング教室をやっている⼈がいなかったのでうまくいったんだと思います。都会にあって⽥舎に無い仕事に可能性があるわけですよ。「今までやってきた仕事が⾼知には無い仕事」となったら、それは隙間産業として起業の可能性も見えてきますよね。
あと、交通のアクセスが良い事も魅力です。車が無いので路面電車で通ってきてくれている市外在住の⽣徒さんもいます。⾼知市ほど密度は⾼くないけれど、⾼知市にあって南国市に無いものは殆ど無いし、住むのに便利な町です。

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