移住者インタビュー

自分の中にテーマが支えに。映画「竜とそばかすの姫」タイアップ・プロモーションの機会を最大限に活かす！【後編】

掲載日：2021.12.02
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映画「竜とそばかすの姫」タイアップ・プロモーションに関わった山口さんのインタビュー、後編公開です！

山口隆広（やまぐちたかひろ）さん

出身地：兵庫県
現住所：高知市
移住年：2012年8月
職業：公益財団法人高知県観光コンベンション協会プロモーション部所属

高校卒業まで兵庫県で過ごした後、大学進学とともに上京し、メーカーや財団法人等の勤務を経て映画業界に入り、カンヌ映画祭等にも行っていたという山口さん。東京でのキラキラ華やかな業界の仕事を辞め、高知移住をしようと考えたきっかけやお仕事におけるご自身のテーマについて、「前編」でお伺いしました。後編では、仕事で関わられた公開中の映画『竜とそばかすの姫』高知県タイアップ・プロモーション秘話をお届けします！

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―映画『竜とそばかすの姫』タイアップ高知県観光プロモーションのお話を聞かせてください

2021年7月公開ですが、制作会社から最初にコンタクトがあったのは2019年でした。連絡を受けた当時の担当者によると「失われる故郷（過疎）」と「暮らしのなかの川」が作品のコンセプトに合っていたとか。その後、コロナウイルスの影響で制作会社の方が実際にロケハンに来ることが難しい状況になりました。制作側の要望を聞いて、連日、高知市を流れる鏡川の写真を送ったり、仁淀川沿いの植生をリサーチしたり、タイアップ宣伝予算を確保して高知県として全面的に協力する姿勢を整えていきました。鏡川の写真は、主人公すずの感情の動きとリンクしたシーンで出てくるのですが、毎日写真を撮っていた担当者は本当に喜んでいました。
タイアップは、まず映画のヒットに繋がること、そして映画に関心を持った都会の方の目を高知に向けさせること、この2つの視点で行いました。ご覧になった方もいるかもしれませんが、東京のJR山手線、大阪のJR大阪環状線でラッピング車両を走らせたりです。

JR山手線を走っていたラッピング広告車両

―高知県内での映画タイアップ協力がMV制作へとつながった

映画側（制作：スタジオ地図、配給：東宝、宣伝・ＴＯＨＯマーケティング等）から驚かれたのは、舞台となった仁淀川流域の市町村の積極的な協力姿勢でした。ロケハンへの協力はもちろん、オリジナルグッズを作成しての地元の盛り上げなど。そのような中、映画公開後に急遽、ミュージックビデオの制作が決まり、わずか7日間でロケハン、撮影、編集が行われました。高知県いの町や越知町の方々にご協力をいただいたもので、曲はもちろんですが、その映像をぜひ皆さんにご覧いただきたいです！

◆映画『竜とそばかすの姫』劇中歌／Belle【はなればなれの君へ　Part1】MV

―山口さんおすすめ！映画「竜とそばかすの姫」の高知を感じていただけるシーン

鏡川のシーンがいくつかあるなかで、特に夕日のシーンは劇中でも最も美しいシーンの１つになっていると思います。また、主人公すずの同級生カミシンがカヌーをしているシーンもありますが、実際に鏡川では高知市内の高校のカヌー部が練習している光景もとても美しく、ぜひご覧いただきたいです。
舞台のモデルとしてJR伊野駅が多く登場し、話題になっています。実は路面電車のいの駅も別のシーンでチラッと登場しています。ＪＲと路面電車の駅が近く、交通の便利が良いいの町の風景そのままを感じていただけますので、ぜひ、見つけていただきたいシーンです。なお、映画のラッピングがされた路面電車も走っていますので、高知にお越しになった際に路面電車で仁淀川エリアへ向かっていただくのも通な楽しみ方になると思います。
そして、映画のクライマックスで登場する酒屋さんのシーン。商品棚に陳列されている日本酒は高知の酒蔵のお酒です。13の酒蔵の銘柄が並んでいますので、銘柄と酒蔵の場所等を確認しながら土佐酒への関心を深めていただければ嬉しいです。DVDかBlu-rayで一時停止しないと全部チェックするのは難しいと思いますが・・・笑。

劇中歌のミュージックビデオ撮影の様子（県立高知丸の内高校カヌー部の皆さん）

ラッピング広告が施され、高知市内を走る路面電車。この車両でいの町まで行けるとラッキー！

―山口さんが感じる高知県の魅力

映画の舞台となった仁淀川流域をはじめ、高知県内には美しい場所、美味しい食材が身近にあります。わざわざ遠くに出かけなくても自分自身の日々のフィールドのなかで、カヌーや自転車、ドライブといった趣味が楽しめます。毎日の暮らしと趣味や関心の接点が近い、とでもいうのでしょうか。スーパーに買い物へ行くのと同じ感覚でＢＢＱや川遊びができる、それこそが贅沢ですし、高知県の持つポテンシャルだと感じています。
高知県で身近な自然体験やスポーツを楽しんでもらうことで、豊かな暮らしをも知る、そういったＰＲもしていきたいですね。

お休みの日に家族でカヌーを楽しむ山口さん家族