募集の背景
高知県の西南部に位置する小さな山あいの村「三原村」は、古くから米どころとして知られています。かつては、美しい山々から湧き出る清水を田に引き、美味しいお米を育て、そのお米で「どぶろく」を造っていました。戦後に酒造が禁止となり、どぶろく造りは途絶えましたが、2004年にどぶろく特区の認可を得て、再び三原村でのどぶろく造りが再開しました。それから、村内の米農家と村が全力をあげて、ゼロから「三原村のどぶろく」という文化を創造し、どぶろく特区発祥の村として認知度を高めてきました。
当初は、村にあるどぶろく農家がそれぞれにこだわりを持って造っていましたが、さらなる販路拡大に向けて、2016年7月に「土佐三原どぶろく合同会社」を設立。より一丸となって三原村のどぶろくを製造・発信できるようになりました。しかし、現在は高齢化により、将来的などぶろく製造体制の存続が危ぶまれる状況になっています。
そこで、土佐三原どぶろく合同会社では、三原村のどぶろく文化を当村の基幹産業として守り、育て、次世代に伝承していくことを目指し、新たな製造施設を建設しました。
土佐三原どぶろく合同会社
三原村のどぶろく
かつては村内7軒の米農家が自家栽培米を使い、添加物を一切加えない生酒「どぶろく」を造っていました。どぶろくは同じ条件で仕込んでも、全く同じ味にはなりません。造る人の手、使うお米や樽、麹の種類、発酵期間などによって少しずつ味が変わるので、それが奥深さや面白さでもあります。
当初、7軒の米農家がそれぞれで造っていたどぶろくも、「さっぱりとした口当たりで飲みやすいもの」から「お米本来の甘みや粒感をダイレクトに感じられる、しっかりとした旨味のあるもの」まで、7つの違った味わいがありました。
その7つのどぶろくを試せる「呑み比べセット」を販売することとなり、取引先が一度に全種類を仕入れることができるように、土佐三原どぶろく合同会社を設立しました。そして今年の10月には、共同製造したどぶろくが完成しました。商品名は「あのこ」と「このこ」。「我が子のように造ってきたどぶろくが、多くの人に愛されてほしい」という願いを込めて名付けられました。辛口の「あのこ」はより深みのある味わいに、甘口の「このこ」はより飲みやすいお酒に仕上がっています。その他、どぶろくを使ったスイーツなども販売しています。
甘口の「このこ」と辛口な「あのこ」
具体的な仕事内容
①どぶろくの普及拡大活動
・どぶろく及びどぶろく関連商品のPR及び販路拡大のための商談会等への参加
・SNS等を活用したどぶろく及びどぶろく関連商品や活動状況の情報発信
・どぶろく関連イベントの企画・運営等(三原村の特産品・観光資源・イベント・移住定住に関連)
②どぶろく製造技術の習得及び製造
・土佐三原どぶろく合同会社 製造工場での研修(OJT)
・村内生産の主要原材料(三原米、三原産麹)を使ったどぶろく及び
どぶろく関連商品の企画・開発・製造
任期後の道
どぶろく事業後継者として「土佐三原どぶろく合同会社」に就職
ここがポイント
・元気で温かいお母さんたちのもとで働ける!未経験者も大歓迎!
どぶろく製造は、お米をつくるところから始まり、混ぜて、運んで、瓶詰めをして…想像以上に体力が必要です。お母さんたちは、これらをほとんど手作業で行っています。大変ですが、皆さん楽しみながら造っています。どぶろく製造となると、未経験の方がほとんどだと思いますが、丁寧に教えていただけるので心配はいりません。皆さんも、どぶろく造りを始めたのは40代頃からです。
・どぶろく製造者、お米農家、農家民宿など、本業がたくさん!
どぶろくを製造する農家さんは、それぞれの家で農家民宿も営んでいます。どぶろくの製造を中心としながら、お米農家、民宿の運営など、マルチに活動することもできます。
こんな方にオススメ
・地域ならではの伝統産業に携わりたい方
・農業や、民衆・ゲストハウスの運営などにも興味がある方
・元気で体力に自信がある方
土佐三原どぶろく合同会社の紹介
土佐三原どぶろく合同会社には、20年以上どぶろくを造り続けているお母さんたちがいらっしゃいます。「三原村のどぶろくを世界に」という目標を掲げ、毎日丹精込めて造っています。
さらに、何より大事にしているのが「楽しく仕事をすること」。皆さん、忙しい日々を送りながらも明るく元気に働いています。そんなお母さんたちの温かいお人柄も、今回の募集の魅力的なポイントのひとつです。是非、一度皆さんに会いに来てみませんか?
住居について
移住促進共同住宅をご用意しています。
また、審査はありますが公営住宅や空き家再生住宅などをご紹介することも可能です。
詳しくは三原村役場 地域振興課までお問い合わせください。
【移住促進共同住宅】
移住促進共同住宅(外観)
移住促進共同住宅(内観)
【公営住宅】
公営住宅(外観)
公営住宅(内観)
三原村ってこんなところ
高知県西部の幡多郡の中央に位置し、四国最南端かつ最西端の村です。明治22年の町村制施行による成立以降、現在まで135年合併していません。
東京から時間的距離が最も遠いと言われている三原村は、標高120~200mの高原盆地に位置し、寒暖の差や良質な水に恵まれた米どころとして知られ、日本の原風景のような農村風景や手つかずの原生林が現在でもきれいに残っている風光明媚な村です。村の入り口に位置する星ヶ丘公園には、「らんまん」で放送された牧野富太郎にゆかりのある花、絶滅危惧種であるヒメノボタンをはじめとした四季折々の草花が見られ、多くの観光客を魅了しています。
三原村には国道が通っていませんが、四国八十八箇所霊場の第三十八番札所金剛福寺(土佐清水市)と第三十九番札所延光寺(宿毛市)を結ぶ遍路道があります。のどかな田園風景の中をお遍路さんがゆっくり歩いている光景も「三原村らしさ」の一つです。
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