7月14日(日)、高知県須崎市で開催された「漁業就業支援セミナー」に参加して来ました。
高知県漁業就業支援センターでは、漁業や漁村に興味のある方を対象に、年に3回漁業就業セミナーを開催しています。今回は、養殖業や定置網漁業、釣り漁業などが営まれている須崎市で開催されました。須崎市の海は資源が豊富で、季節ごとに様々な種類の魚介類が水揚げされます。セミナー開催地の浦ノ内湾では、マダイやカンパチの養殖漁業が盛んに行われています。
ここ須崎市で養殖業を営む”土佐鯛工房”さん、土佐鯛工房さんで生産した鯛を出荷・販売している”大東冷蔵(株)”さんが講師として参加しており、養殖業についてや一人前の生産者になるためのサポート体制などを伺うことができました。セミナーには高知県内外から4名の方が参加していましたが、その中には大学生や漁師を目指して既に高知に移住されている方もいました。
当日はまず最初に参加者の皆さんと実際に船に乗り、マダイの養殖場の施設見学をさせていただきました。漁業者さんにお話を伺ったところ、本来、鯛は水深200メートルぐらいのところで生活をします。養殖場では水深約8メートルのところで育てるので、空からの紫外線で鯛のキレイな色が出にくくなりますが、ここ浦ノ内湾は内海で波も少なく、周りが山に囲まれている為、栄養が豊富な少し濁った水が紫外線を防ぎ、鯛の養殖にはとても適している場所だそうです。遮光ネットも使用し紫外線を防ぎ、さらには1漁場で飼育する鯛の数を少なくすることによって、鯛のストレスを軽減し、色・形・味ともに最高の鯛を育てています。徹底した品質管理と厳しい出荷基準をクリアした鯛は“海援鯛”という名のブランド名で出荷・販売をしています。
施設見学後は、現在長期研修中の先輩移住者さんから漁師になろうと思ったきっかけ、実際に漁師になって大変なこと、やりがいなどを伺いました。
【先輩移住者さんの声】
『私は大東冷蔵さんに長期漁業研修生として受け入れてもらい、土佐鯛工房さんで養殖技術の習得を目指してます。日々の作業は体力がいるので慣れるまではとても辛かったですが、自分の育てた鯛が成長して行くのが嬉しいです。また“海援鯛”は出荷で作業が終わってしまうのではなく、自分自身で販売元へ行き消費者の方へ販売する機会があります。消費者の方から直接「美味しかった」との声を聞くことができるので、とても励みになります。』
その後の漁業者さんとの座談会では、活発な質疑応答や意見交換なども行われ、セミナー参加者の積極的な姿勢が見られました。大東冷蔵さんからは研修終了後の独立支援策や、養殖を断念した場合でも“海援鯛”の流通に関わる仕事も用意できるという説明や、今後の事業展開として、『“海援鯛”の品質向上をはかり、ネームバリューをさらに広げていき、生産量が増加すれば海外への輸出を考えている』と仰っていて皆さんの養殖に対する熱い思いが伺えました。
また今回は、漁業者さんのご好意で新鮮な“海援鯛”の試食もさせていただきました。丁寧に育てられた“海援鯛”は見た目はもちろん、歯ごたえ、味も良く、旨みが詰まり大変美味しかったです。
高知県にはさまざまな漁業があります。自営で漁船漁業を営むか、漁業会社等に就業するか、どのような漁業を目指すかによって、就業までの流れも異なります。情報収集・相談~独立後の定着促進まで、漁師になりたい方へのサポート体制も整っておりますので、ぜひご活用ください。何から始めて良いのか分からないという方は、まずは漁業セミナーや短期漁業研修に参加することをおすすめします。
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