【いこうち!活動レポート】地域の食文化「水車挽きのそば」が繋ぐ縁@集落活動センター柳野

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―地域の特産品「そば」を刈るお手伝い―
【いこうち!活動レポート】地域の食文化「水車挽きのそば」が繋ぐ縁@集落活動センター柳野
いの町柳野地区には、約300年前から受け継がれてきた水車(※)があります。この水車は水の力で石臼を回し、そばや小麦の粉ひき・精米などにおいて、地域の暮らしを支えてきました。柳野地区では、現在も特産品としてそばを栽培しており、この伝統のそば文化を守り、継承していくための活動が行われています。

今回はその活動の一環として、「そばの収穫作業(そば刈り)」のお手伝いを募集するプログラムが開催されました。農作業に興味を持つ30代から50代の参加者3組5名が、心地よい秋晴れのもと、地域の人々と一緒に鎌を手にそばの刈り取りに汗を流しました。作業終了後は交流会が開かれ、地域の皆さんからそばの製法や柳野地区の歴史について話をしていただきながら、交流を深めました。

※水車は現在修復中で来年2月には稼働予定です。

プログラム内容

開催日:2025年11月16日(日)9:00~13:00
開催エリア:いの町
主 催 者:集落活動センター柳野
対   象:農作業に興味のある方

①そば刈り
(9:00~)
1人1本鎌を持ち、畑に生えているそばを刈り取る。
②交流会
(12:00~)
集落活動センター柳野にあるテラスで、昼食を楽しみながら地域の人々と交流する。

当日の様子

朝9時、少し肌寒さを感じる気温のなか、地域の方7名と参加者5名が集合し、和やかな雰囲気で自己紹介からプログラムがスタートしました。
その後は、地域の方から手渡された鎌を持ってそば畑へ移動。
「今年はそばの種まきが少し少なかったかな?」「種をまきすぎて密集して生えてしまうと、雨や風で倒れてしまって収穫が大変になるんです」など、そば栽培の豆知識を交えながら、皆一斉に刈り取りを開始しました。
今回刈り取るのは4枚の畑。参加者は皆、黙々と作業を進めていき、体は汗ばむほど集中しています。

自己紹介の様子
自己紹介の様子
鎌を使って収穫
鎌を使って収穫

全体の約半分を刈り終えたところで、1時間強が経過し、休憩時間になりました。
お茶やお菓子を囲みながら、言葉を交わします。「どこから来たの?」「実は柳野地区は移住者が多くてね!Iターンの人もいるのよ。」「私も20年前にUターンしてきたがやき、移住者ということになるがかね?」と、地域の人が参加者へ積極的に話しかけていました。

約半分の作業が進んだそば畑
約半分の作業が進んだそば畑
休憩時間の交流の様子
休憩時間の交流の様子

休憩を挟み、その後も作業は続きます。
3枚目の畑を刈り終える頃には参加者の皆さんもすっかり慣れ、表情にも余裕が見られるようになっていました。地域の人が刈り取った後を見て、「早いし綺麗に刈り取っていて、なおかつ次の作業がしやすいようにひとまとめにしてあってすごい!さすが慣れてますね!」と、熟練の技に感嘆の声が上がっていました。
皆さんの協力により作業は順調に進み、正午にはすべての畑の刈り取りが終了。
主催者の乙竹さんは、「お昼を少し過ぎるだろうなと思っていたけれど、皆さんのおかげで昼前に終われて助かりました!」と、感謝しきりです。

刈り取った後は一ヵ所に集めます
刈り取った後は一ヵ所に集めます
そば畑の脇になっていたカラスウリの実
そば畑の脇になっていたカラスウリの実

作業を終えた後は、集落活動センター柳野へ移動し、昼食を囲んで交流会が開かれました。
地元で採れた野菜や山菜を使った柳野定食がふるまわれ、参加者と地域の人々が交流を楽しみました。
地域の人からは、
「そばは麺になるまで本当に手がかかるがよ。でも地域の特産品やき、守っていかないかん。」
「水車と石臼で挽くそば粉は、機械で挽いたものより香りが良くて美味しいがよね。」
と、そば作りへの思いや伝統的な製法の話が語られました。
参加者は目を輝かせながら、「今日収穫したそばは、いつ頃来たら食べられますか?」と積極的に質問していました。

昼食を食べ始めてから1時間ほど経過したところで交流会はひと段落。
「また、いつでも柳野地区に来てくださいね。」という温かい声かけで、今回のプログラムは締めくくられました。

地域に受け継がれる水車
地域に受け継がれる水車
昼食をとりながら交流会する様子
昼食をとりながら交流会する様子

参加者の声

高知市30代・女性の声
”自分が食べるものを自分で育てる”ということをやってみたいと考えていて、今回参加させていただきました。参加してみて、思っていた以上に農作業は大変なんだなと感じました。また、地域の高齢化は進んでおり、担い手不足だということを知りました。今回の活動をきっかけに、これからはもっと地域に目を向けていきたいと思います。

高知市40代・男性の声
ゆくゆくは高知県内の田舎で暮らしたいという思いがあり、その第一歩という意味で参加させていただきました。今回、実際に田舎の活動に触れることができ、とても勉強になりました。また、体を動かすことで清々しい気持ちになりましたね。

越知町50代・男性の声
先輩方の作業の美しさに感心しました。ペース配分や正確さ、次の行程のことも考えながら作業を進めるのは熟練の技ですね。今の時代、冷蔵庫を開ければ食べ物があるのは当たり前のように思ってしまいますが、その裏にはこうして手をかけて作ってくださる方々がいることを忘れてはいけないと感じました。自分の手で体験し、その大切さを知ることができ、とても貴重な時間になりました。

主催者の声

世代と地区の垣根を越えた交流が活力に!
集落活動センター柳野では、未来にわたって活気ある集落を維持・発展させていくための活動のひとつとして、そばやイタドリといった地域の食文化を受け継ぐ活動をしています。特に、約300年前から受け継いできた水車で挽く「そば」はこの地域ならではのものです。
地域住民の高齢化に伴い、このような活動を継続することも難しくなってきていますが、今回は5名の方にお手伝いをしていただき、想定以上に順調に作業を終えることができました。非常に助かりました。
また、こういった機会を通じて地域を知ってもらい、今後も気軽に足を運んでいただきたいなと思ってます。今回収穫したそばは、来年2月に動き出す水車で挽いてそば粉にするので、次はぜひ食べに来ていただきたいですね。
作業終了後の集合写真
作業終了後の集合写真

「いこうち!」プロジェクト

いこうち!プロジェクトでは、高知県の地域団体が抱えるさまざまな課題を、全国から集まる皆さんの「お手伝い」を通して解決し、交流を深めることを目指しています。地域の人々と一緒に作業することで、地域の文化に触れたり、温かいおもてなしを受けたりと貴重な経験ができます。高知県内では今後も様々なプログラムが開催される予定です。地域を盛り上げたい、新しい出会いがほしい、そんな方はぜひ参加してみませんか?

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