「こうちみませ楽舎」では、毎年度、さまざまな教室を開催しています。
令和6年度の通常教室では、「ものづくりデザイン教室」を開催しました。卒業生が講師を務め、身の回りのものを活用して、オリジナルのコースターやバターナイフなどを制作しました。親子で協力して作業をしたり、受講生同士が会話を楽しみながら取り組んだりと、参加者は和やかな雰囲気の中で、それぞれの作品づくりを楽しんでいた様子でした。
特別教室では、以下のイベントを企画・実施しました。
今昔さんぽ:昔の写真と現在の写真を比較し、地域の変化を感じるまち歩きイベント。
今昔写真展:集めた写真を展示し、地域の人々や大学生と交流する写真展。
なぞときウォークラリー:御畳瀬地域を舞台にした謎解きイベント。
これらのイベントを通して、地域の写真や魅力的なスポットを収集し、初代地域おこし協力隊・伊藤さんが3年間の活動を振り返りながら、地域の魅力を伝える「地域本」を制作しました。
この地域おこし学校は、令和2年度にプレ開校し、令和4年度からは初代高知市地域おこし協力隊が、「こうちみませ楽舎」でのイベント企画や運営を担ってきました。今回は、初代協力隊として活動された伊藤さんにこれまでの取り組みについてお話を伺いました。
●どんな活動をされてきたんですか?
最初は「協力隊の仕事って、気楽にできそうだな~」なんて軽く考えていたんです。でも実際に着任してみると、初日にマスコミの取材、翌日は浴衣に着替えて地域のお祭りに参加、その後もイベントでのPRなど、想像以上に忙しい日々が待っていました。
平日のスケジュールはほとんどが事務作業で、イベントの企画や関係機関との打ち合わせ、決裁の手続きなどを行い、空いている時間に外回りへ。土日にはイベントへの出演もありました。
本当に大変で、「もうこんな仕事、1年で辞めてやる!」って本気で思ったこともあります(笑)。
●そうした大変さをどうやって乗り越えたんですか?
そんな忙しい日々の中で、地域の人たちと少しずつ仲良くなっていったんです。あるとき、「もっと私たちを頼っていいんだよ」って言ってもらえて、その言葉がすごく心に残っています。
それからは「一人で抱え込まずに、みんなと一緒に考えて進めていけばいいんだ」と思えるようになりました。
1年目は本当に苦労しましたが、2年目になると少しずつ慣れてきて、「こんなに幅広い経験ができる仕事は他にないかも」と感じるようになり、次第にワクワク、ドキドキする気持ちのほうが大きくなっていきました。
●活動の幅はどのように広がっていったのでしょうか?
基本的には高知市役所勤務だったため、「みませ楽舎」に常駐はできなかったのですが。地域の方々ともっと関わりたいと思い、1室を整備して2年目からは週1回、3年目からは週2回常駐するようにしました。
私がいる日は、地域の方がふらっと立ち寄ってくれて世間話をしたり、野菜の差し入れをしてくれたり(笑)。そういう時間がとても楽しかったです。
そのほかにも、大学生に地域活性について講義をしたり、イベントに出演したりもしました。
以前は、イベントでナレーターをするだけだったんですが、協力隊になってからは「何を話すか」「どんなイベントにするか」を自分で企画して、自分で出演することができたのが本当に楽しかったですね。
また縁があって、御畳瀬(みませ)地区の昔の写真を見せてもらったのがきっかけで、過去と現在を見比べながら街を歩く「今昔さんぽ」や写真展、ガイドブックの制作にも取り組みました。
●現在、2代目の地域おこし協力隊を募集していますが、どんな方に来てほしいですか?
まず大事なのは、地域の方々との信頼関係を築くことです。
私は特別なことをしたわけではなく、地域のイベントに積極的に参加して、少しずつ関係を作っていきました。そうやって地域の方と上手に付き合える人が向いていると思います。
また人前で話す機会も多いので、そういった場面でもしっかり話せる方がいいですね。
そして、地域を元気にするために「こんなことをやってみたい!」というアイデアを持っている方だと、なお良いと思います。
私自身は「地域活性って、地域の人が元気になればそれでいい」と思っていて、そういう想いでイベントを企画してきました。でも正解があるわけではないので、2代目の方にはその人なりの考えで活動してもらえたら嬉しいです。
私もそばにいますので、一緒に取り組んでいきましょう!
伊藤さんが協力隊卒業の際には地域の方が送別会を開いてくださったそうです。インタビュー中にもイタドリを差し入れに訪れる方がいて、伊藤さんが地域の方々からどれほど愛されているかが伝わってきました。
現在、高知市では伊藤さんの想いを受け継ぐ「第2代地域おこし協力隊」を募集中です!