移住者インタビュー
3Dプリンタ・レーザーカッター等の機材レンタルや、放課後発明クラブを運営する「さかわ発明ラボ」で、ものづくりコンシェルジュとして活動しています。
上川 慎也さん
妻に勧められ、佐川町の地域おこし協力隊に
大学の学部では建築専攻だったんですが、大学院は情報系に進んだので、デジタルファブリケーション(デジタルデータを基に3Dプリンタやレーザーカッターで行うモノづくり)の仕事がしたいと元々思っていたんです。2018年に妻が「さかわ発明ラボ」の協力隊の募集を見つけてくれて、「あんたはもう、ココや!」と(笑)その後、ラボの体験会に足を運んでみて、気に入ったので応募しました。ちなみに、ここの採用を受ける際に「奥さんは来ないの?」という話になって、後日妻が観光のミッションに就くことが決まりました。
自分の主な業務は、「さかわ発明ラボ」に寄せられるお客さんからの依頼、デザインや企画のオーダーをカタチにすることです。町内外のクライアントから色んな依頼があるので、すごくやりがいがありますよ。地元のドッジボールチームのプラカードに、隣町の地形図を基にした木製のジオラマ、町内の集会所の看板にと、役場を通じて紹介される案件以外も多々あって。ここは機材も充実しているし、デザインや教育など、様々な専門性を持った協力隊員が集まっているので、学びもたくさんあります。
夫婦で過ごせる時間が増えて気持ちに余裕ができた
納期に応じてちょこちょこと大変な時はありますが、設計事務所にいた頃よりはかなりゆとりができました。夫婦で過ごせる時間も増えて、気持ち的にも余裕がありますね。初めての田舎暮らしですが、そんなに不便を感じることはありません。妻とはよく牧野公園(佐川町出身の植物学者・牧野富太郎にちなんだ公園)に散歩に行きます。元々植物に興味があったんですが、移住してからさらに好きになって、牧野植物園(高知市)の年間パスポートも買っちゃいました。
あんまり自信のなかった運転も、毎日狭い山道を走るので大分鍛えられました。ただ、それでちょっと良い気になっちゃって……先日、帰省先のすごく狭い場所で切り返しに失敗して、ガードレールをふっとばしたんですけど。あとはやっぱり、湿気ですかね。タイミング良く新築住宅を借りることが出来たので、家自体は快適なんですけど。この間、洗面台に置いておいたメガネケースをふと見たら、真っ白に……。
それから、こちらでは「スーパーの中で、こんなに知り合いに会うもの!?」というのにビックリしました(笑)それとちょっと意外だったのは、神戸に居た頃よりも同世代の人との付き合いが増えたことですね。当時は仕事中心の生活で、日常で関わるのは年の離れた人ばかりだったんですが、佐川町は卒業生も含めて協力隊の人数が多いし、みんな若くて。協力隊以外の移住者の方々も、全体的に若いですね。
時代の変化に合わせたものづくりを追求したい
移住前は兵庫で建築設計事務所に勤めていたんですが、この土地特有の木造建築も多く、建物を見て回るのが面白いです。高知は日本でも住宅耐震化の先進地域ということもあり、仕事の選択肢も増えるなと思って「耐震診断士」の資格をつい先日、取得しました。
プライベートでは、ラフティングやロッククライミング、釣りみたいなアウトドアの遊びがしたいですね。活動としてはラボのツール、特に大型の木材を加工できる機械をもっと使いこなせるようになるのがひとつ。あとは、自分の専門である建築に軸足を置いて、デジタルかアナログかを問わず、時代の変化に合わせた柔軟なものづくりを追及したいですね。ここならではの土地柄、ローカルさもうまく取り入れられればなと思います。
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