移住者インタビュー

【越知町】あの風景が忘れられなくて。越知町で始めた家族との暮らしとコーヒー店

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名古屋・大阪・京都での会社員経験を経て、2022年に家族で越知町へ移住。
地域おこし協力隊として3年間活動し、2025年に「ミギキシコーヒー焙煎所」をオープンした右田さん。
暮らしと仕事を通して感じた、地方で暮らすリアルとその向き合い方を伺いました。

右田智貴さん

  • 出身地:鹿児島県
  • 現住所:越知町
  • 移住年:2022年
  • 職業:ミギキシコーヒー焙煎所

Q. 越知町に移住しようと思ったきっかけは何ですか?

大阪に住んでいた頃、旅行で四国を回ったことがきっかけです。

そのときに偶然立ち寄った「片岡沈下橋」がとても印象的でした。
正直、そのときは越知町を意識していたわけではなく、「高知県いいな」という程度だったんですが、あのとき見た仁淀川の風景が忘れられなくて。

「こんなところで暮らせたらいいな」という感覚が、夫婦それぞれの中にずっと残っていました。

会社員時代は、河川に関わる仕事をしていたので、都市部から山奥の川まで色々な川を見る機会がありましたが、「ここに住みたい」と思ったことは1度もなかったですね。
なぜかわからないけど、あの沈下橋で見た景色だけは強く残っていて。不思議でした。

ただ、慎重なタイプなのもあって、そこから実際に移住するまでは4年くらいかかっています。

一番の不安はやっぱり収入面でした。
仕事を辞めてどうするか悩んでいたときに、大阪で開催していた「高知暮らしフェア」に参加し、「地域おこし協力隊」という制度を知りました。「3年間収入を確保しながら地域に入れる」というのはすごく大きくて、それが決め手となりました。

小さい子供もいる中、もちろん不安がゼロではなかったですが、「街中で子育てをしたくない」というのも理由の一つにあったので、思い切って移住に踏み切りました。
近くに親がいれば助かる場面もありますが、今のところなんとかなっています(笑)

Q. 実際に暮らしてみて、感じた変化やギャップはありますか?

高知へは移住前に2回訪れました。1回目は移住のきっかけとなった旅行で、もう1回は移住を見据えての下見で。そのときは実際の暮らしをイメージするために、スーパーで物の値段なども見て回っていたので、生活面での大きなギャップはあまり感じませんでした。

暮らしは正直、かなり良くなりました。虫が出たり、家の暖房が効きにくかったりする場面もありますが、もともと都会での通勤や生活で感じていたストレスがなくなったり、自然の中で子育てが出来る喜びがあったりと、そういった意味で自分自身のQOLは上がったと感じています。

ただ、子どもが保育園に通いだしたばかりの頃は、よく体調を崩していて毎週のように高知市の病院まで通うこともあって、移動距離の面では少し大変でした。

他にも想定外だったことはいくつかあります。
まず、住む場所にもよると思いますが、ガソリン代は思ったよりかかります。
あとは、町内会費や浄化槽の存在にも驚きました。下水道が当たり前の感覚だったので、最初は仕組みから調べました。メンテナンスの人が来たときには、「これは詐欺ではないよね?」って疑ったりもしました(笑)

Q. 地域おこし協力隊ではどんな活動をされていましたか?

「地域おこし協力隊」では、観光ミッションとして、SNSでの情報発信やイベントの手伝い、フリーコーヒー提供での地域の賑わい創出などに取り組んでいました。

移住前からコーヒー店の開業を目指していたこともあって、活動の中で、地元のイベントなどで自分で焙煎したコーヒーを無料で提供させていただく機会もありました。本来の活動に支障が出ない範囲でこうした取り組みも認めていただけたため、3年間で経験を積み重ねることができ、人との繋がりを築けたことはすごく大きかったです。
活動を通して知り合った方が、お店に足を運んでくださることもあり、協力隊という肩書きがあったことで、地域にも入りやすかったと感じています。

逆に、協力隊をやってみて大変だったのは、働き方の部分ですね。

メディアで見たイメージもあり、もっと自由に動けると思っていたんですが、実際にはルールも多く、公務員としての制約の中でどう動くかを考える必要がありました。

最初は戸惑いもありましたが、「その中でどう動くか」を意識するように切り替えました。そこは大事なポイントだと思います。

例えば、コーヒーのフリー提供は認められていましたが、勤務時間内での「販売」については一定の制約があったので、勤務時間内での販売は行ないませんでした。
そのため、起業後にどの程度の売上が見込めるのかを事前にシミュレーションすることが難しく、卒業後に対する不安もありました。

Q.ミギキシコーヒー焙煎所を開くまでの経緯を教えてください。

移住を考えたときに「好きなことを仕事にしたい」と思い、京都にいた頃から、コーヒーの勉強や焙煎の練習を重ねてきました。

越知町に来る前は、京都で靴修理や靴磨きの仕事をしていたので、靴磨きとコーヒーの二本立てでやろうと思っていたんですが、高知に来てみると革靴の人が少なくて、コーヒー一本に絞ることにしました(笑)

移住前から協力隊の活動中にかけて、早くから開業に向けた準備を重ねてきましたが、肝心の物件探しには苦労しました。
空き家はたくさんあるように見えるんですが、実際に賃貸、購入が可能で、さらには自由に改修出来る物件は特に少なくて。ここは多くの人が苦労するポイントだと思います。
京都にいた頃から「空き家バンク」や不動産サイトは見てはいたので、店舗兼家探しで4年くらいかかっています(笑)

タイミングにも恵まれて、良い物件が見つかった一方で、山奥という立地もあり、正直、この場所でやっていけるのかという不安もありました。でも、この道をわざわざ来てくれる方がいるのは本当にありがたいです。

「コーヒー苦手だったけど飲めた」と言ってもらえることもあって、それは何より嬉しいですね。

Q. 最後に、これから移住を考えている人に伝えたいことはありますか?

実際に移住してみて、「なんとかなること」と「準備しておくべき現実」の両方があると感じています。

特にお金に関しては、想像以上にかかる場面が多いです。起業や家の修繕など、補助金は非常に有難かったものの、それだけで十分とは言えないのが実情です。

一方で、人間関係については、いわゆる“村八分”のようなものも少し心配していましたが、越知町ではそういった壁を感じることはなく、協力隊の活動を通して自然とつながりが生まれていきました。

これから、年齢や家族、親のことなど、ライフステージ毎の課題も出てきます。実家に戻るべきかも悩んだこともありましたし、何かあったときにすぐ帰れない距離というのも現実です。現在は毎年15時間ほどかけて帰省しています。

以前に、県外から友人が遊びに来たときに「老後はこういう暮らしもいいな」と言ってくれたことがあったんですが、正直、自分は「老後からいきなりこの暮らしをスタートはするのはなかなか大変だろうな」とも感じています。

それでも、不便さはあるものの、それ以上に自分が満足できる暮らしができていると感じています。
地域おこし協力隊として移住を考える場合は卒業後のビジョンを持っておくこと、そして、限られた環境の中でどう動くかを考えることが、大事だと思います。

【ミギキシコーヒー焙煎所と越知町についてはこちら】

■ミギキシコーヒー焙煎所
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