移住者インタビュー






梼原町四万川(しまがわ)地区で建設業と雉(キジ)生産業の二足のわらじを履く西村大地さんにお話を伺いました。

西村大地さん
Q.梼原町へUターンしたきっかけは?
山梨へ大学進学していた22才のときに、父親から「家業を継いでほしい」という電話がかかってきましたが、その時には「都会で華やかな仕事に就きたい!」と考えていたのでUターンはしませんでした。
その後は大阪で家業と同じ建設業の仕事をしていましたが、30才を目前にして、やはり自分が生まれ育った梼原町のローカルな雰囲気と空気感が好きだったことを思い出しました。そして、少子高齢化や人口減少、担い手不足などが問題提起される昨今の現状の中で「少しでもふるさとに恩返しができればいいな」と考えて2022年にUターンしました。
Uターン直後は建設業のみでしたが、2年目からキジ生産業を始めました。梼原町では昭和50年代からキジを生産していましたが、生産者が町内でおひとりになってしまったため、何とか梼原町の伝統的な基幹産業を守り育てていこうという思いから、会社として雉(キジ)生産部を立ち上げ受け継ぐことになりました。現在は父親と自分を含め、合計5人が雉(キジ)生産部で働いています。
Q.キジ生産では具体的にどんな仕事をされていますか?
キジ生産の仕事の流れとしては、まず産まれたタマゴを孵化器に移すことから始まりますが、無事にヒナに還る確率が約50%と低いのでかなり神経を使います。次に生まれたヒナを鶏舎へ移動させるのですが、この時期は一日に3回は見回りをし、毎日水を変えています。餌や水にこだわり、特に水は四国カルストの麓から湧き出るきれいな水を飲ませています。
その後、成鳥になるまで朝と夕方の2回見回りをします。約一年かけて育てあげ、一番脂がのる寒い時期からキジをさばいていきますが、一日に100羽ほどさばいても40~50日はかかります。そして次のシーズンのために300羽ほど残して、タマゴが産まれるのを待ちます。


Q.仕事にやりがいを感じる瞬間はどんな時ですか?
孵化したばかりのヒナはとてもかわいいですね。実は鳥の習性である「すりこみ」(孵化直後に初めて見た動く存在を追いかける現象)で、自分の後ろをついてくるかなと期待していましたが、現実はそんな現象はまったく起こりませんでした(笑)むしろ鶏舎に入ると背後から飛びかかってこられたりと、行動の予測が出来ない中で仕事をしています。
3年前に新築した鶏舎はとても広く、ストレスなく自由に動き回れる放し飼い状態で育てています。11月ごろからキジをさばく作業に入りますが、こちらも新設された食肉加工施設で熟練の職人が手作業で丁寧にさばいていきます。そうして出来上がったキジ肉製品が、ふるさと納税やオンライン通販でたくさんの方々に届けられることにやりがいを感じます。
Q.今後の展望などがあれば教えてください。
高知県と言えば「ゆず」が真っ先に思い浮かぶので、いつか梼原町産のゆずと自分が育てたキジのコラボ商品を開発して、梼原町の名産品になればと思っています。
自分の暮らすここ四万川(しまがわ)地区だけでなく、梼原町全体としてやはりだんだんと人が減っていることがとても気がかりです。雉(キジ)生産部で一緒に働きたいと思ってくれるような若手の人材をもっと増やしていきたいですし、自分の生まれたまちがこれ以上過疎化しないように、今後は「(梼原町に)人が来る・残る」といった活動もしていければと考えています。


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