移住者インタビュー

「好き」を仕事に。高知で見つけた「星空体験プロデューサー」としての生き方

掲載日：2023.04.26
気になる

移住した先で叶えたのは大好きな「星」を活用した起業でした。

イワシロ　アヤカさん

出身地：愛媛県
現住所：高知市
移住年：2015年
職業：星空体験プロデューサー

星を特別なものにした「キャンプ × 星のきらめき」

「何故星をテーマに起業されたのですか？」と聞かれることがありますが、星への興味が生まれたのは小学生のころ。当時はまだインターネットもなく、娯楽といえば図書館で本を借りることでしたが、さまざまな本を読むにつれ、自然科学に興味を持つようになりました。

その中でも特に興味を持ったのが「星」。両親に連れて行ってもらったキャンプで星を見たことで「あのきらめく光は一体何なのか」と、見上げれば広がる小さな光が不思議で仕方がありませんでした。その光の正体が、本で見た「星」だと知った時、自分にとっての夜空が一気に奥行きのあるものに変わりました。

「好き」を仕事にした原点。きっかけは一つの望遠鏡

小学6年生になったころ、皆既月食が近々起こるというニュースを耳にしました。子供へのプレゼントとしてはとても高価だったと今となっては思うのですが、親におねだりして買ってもらったのは初心者向けの天体望遠鏡。自分の部屋から見える特別な光景に「家族にも見せてあげたい」という気持ちや、子供ながら誇らしい気持ちが混ざり合った思い出が残っています。

中学、高校、そして東京の大学へと進学する中で少しずつ星から離れていましたが、就職活動する中で内定をもらってもなんだかしっくりこず、「私が本当に好きなことはなんだろう」と立ち返り思い出したのが、先ほどの天体望遠鏡でした。再び「好き」に立ち返ったことで、子供のころに買ってもらった望遠鏡メーカーに就職。子ども心にワクワクした望遠鏡の世界を、今度は私が提供する番になりました。

移住後高知県の起業家育成プログラムに参加。支えてくれた上司の言葉

社会人となって5年間働いた後、趣味のよさこいを通じて知り合った男性と2015年に結婚。同時に高知へ移住をしましたが、相変わらず星への情熱は冷めることがありませんでした。2017年の4月から、星を活用した起業のために高知県が主催する起業家育成プログラムに参加しました。

2019年に星空体験を創るをコンセプトとした「sorashiro（ソラシロ）」を起業。現在は星空体験プロデューサーとして、天体望遠鏡を使った星空観察会や体験型イベントを開催したり、企業向けには星や宇宙関連のコンテンツ提供や、星空案内に関する講師やイベントや講座の企画立案などを行っています。

「星が好きというだけで、独立して起業するのって大変では？」と思われるかと思いますが、その時に支えになったのがお世話になった上司からの「アナタは百戦錬磨だから、大丈夫」という言葉でした。前職での私の仕事は「望遠鏡を使うことで、こんな世界が広がるんだ」をお客様に知ってもらうこと。星を楽しんでもらうには快晴が一番いいのですが、もちろん日程によっては曇りの日にワークショップを行うこともしばしばあったので「私は星を見せることに関してはプロ。だから起業に関してもきっと大丈夫！」と自分を信じることができました。

「高知で起業してよかった」起業しやすいと感じた、高知特有の気質とは

ご存知のとおり、高知はとても自然豊かで、星を見せるのに申し分のない土地です。それより、私が高知で起業してよかったと思うのは、高知の人たちの繋がりの強さでした。起業家育成プログラムに参加したことで起業家仲間も増えましたし、なんといっても高知には高知県特有の気質がある。「今度イベントやるんでしょ！？友達も誘って一緒に行くね！」と本当にたくさんの友達を連れてきてくれたり（笑）、友達の友達はみんな友達というような、気軽に助け合う精神があり、誰にとってもチャレンジしやすい場所だと感じています。

最近は移住してこられる方が増えているので、仕事をしていても「移住者の方なんですか！」と会話の糸口になることが多くあります。私は結婚が理由だったので結果的に高知県でしたが、私のような者でもあたたかく迎えてくれて、高知という場所で夢を叶えることができたことを本当に嬉しく思っています。今後も私の叶えたかった「星」をキーワードに、星や宇宙が持つ力を高知の人たちへと繋ぐようなお仕事ができたら嬉しいです。

※この記事は、2023年3月7日時点の情報を掲載しております。

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