募集の背景
越知町は全国的にも珍しい山椒の産地です。清流“仁淀川”の綺麗な水と温暖な気候によって質の高い山椒が育てられています。
町内には約130軒の山椒農家がいますが、高齢化が進んでおり、越知町を支えるこの重要な産業の継続が危ぶまれています。
また、すべて手作業で行われる収穫に関わる人手も不足しており、豊作であっても十分な収穫ができないという声があがっています。
そこで、山椒農家の栽培サポートに従事しながらスキルの習得をしていただく、地域おこし協力隊を募集します。
そもそも山椒とは?
山椒は日本原産の落葉低木で、みかんや柚子と同じミカン科の植物。古くから薬や香辛料として利用されてきましたが、近年はスパイスブームの影響もあり、特に需要が高まってきています。葉、花、実それぞれで違った味わいがあり、すべての部位を楽しめる、捨てるところがない食材です。
高知県内で栽培される山椒のほとんどが越知町内の生産組織に出荷されており、その生産量は和歌山県に次いで日本で2位!年間生産量は280.4tで全国シェア31.1%です(農林水産省:2018年特産果樹生産動態等調査)。和歌山県と高知県(越知町)で国内生産量の約90%を生産しています。
越知町の山椒の特徴
山椒にはさまざまな種類がありますが、越知町で栽培されているのは、主に「朝倉サンショウ」と「ブドウサンショウ」の2品種で、どちらもブドウの房のように実が付きます。高知県の温暖な気候と豊富な日照を活かして出荷時期は他産地よりも早く、粒が大きく成長したものだけを出荷する徹底した選別が行われています。青実は粒が大きく肉厚で、ピリッとした辛みと山椒特有の爽やかな香りが特徴で、乾燥実は様々なスパイスや漢方として使われるなど、用途は多岐にわたります。
山椒農家の特徴
山椒栽培は以下のような特徴により、他の作物に比べて挑戦しやすいと言われています。
・苗木定植後、約4年で収穫可能となり、その後は毎年5~8月に収穫。一度定植すると15年程度収穫が可能。
・収穫物が軽量なため、高齢者でも容易に生産が可能。
・傾斜地などの条件不利地でも栽培可能。
・山椒農家の繁忙期は毎年2回。5月〜6月は「青実」、7〜8月は「乾燥実」を収穫する。
・繁忙期以外の時期も、除草・肥料やり・剪定などの作業を行うが、ある程度時間の融通がきく(そのため、山椒と他の作物の兼業が成り立つことが多い)。
・大型農機具などを必要としないため、比較的初期投資が少なくて済む。
具体的な仕事内容
越知町には、薬用山椒と食用山椒を出荷している団体が3つあります。それに伴い、今回は3種類の募集があり、それぞれ活動先が異なります。
■活動内容(募集①・②・③共通)・農業研修等の実践活動
農事組合法人ヒューマンライフ土佐、越知町山椒組合、越知町仁淀川山椒企業組合、それぞれの生産組織の指導者による栽培指導を受けながら、農作業や出荷調整作業のスキルを習得。ただし、着任後は、基本的に四万十町にある高知県立農業担い手育成センターで3か月の研修を受講してもらい、農業全般の基礎知識を習得してもらいます。※着任のタイミングによってはこの限りではない。
・農業の担い手としての活動
研修場所として与えられたほ場において栽培管理を行います。
・他組合員への農作業のサポート
高齢農家や人手不足の他組合員の消毒・除草・剪定・収穫等のサポート。
・農作業体験等の企画立案
生産組織と協力しながら、労働力確保対策及び新規就農対策を目的とした農作業体験・産地PR等の企画立案。
・その他、農作業等の経験を活かした起業・独立に関する活動。
募集①:薬用山椒
■活動先:農事組合法人ヒューマンライフ土佐
■活動先の概要:平成2年に株式会社ツムラとの契約栽培を開始。漢方製剤の原料となる薬用作物(山椒、ミシマサイコ、ダイダイ)を出荷している団体。農作業の他、出荷された薬用作物の乾燥作業も経験し、栽培から出荷まで一連の作業を習得します。
薬用作物のミシマサイコ
募集②:食用山椒-1
活動先:越知町山椒組合
活動先の概要:主に食用山椒の「青実」や「乾燥実」を出荷している生産団体。
募集③:食用山椒-2
活動先:越知町仁淀川山椒企業組合
活動先の概要:主に食用山椒の「加工品」を出荷している団体
(
https://niyodogawa.co.jp/)
※ただし、本ミッションでは山椒の生産部分に関わっていただきます。加工方法の指導はありませんので予めご了承ください。
任期後の道
募集①:薬用山椒(農事組合法人ヒューマンライフ土佐)
・新規就農者として起業(専業、もしくは他産業との兼業)
・ヒューマンライフ土佐の作業員として就職(面接有り)
→初めの給与218,000/月 賞与あり。各種手当て含む。隔週土曜出勤等。
募集②:食用山椒(越知町山椒組合)
新規就農者(組合員)として起業(専業、もしくは他産業との兼業)
募集③:食用山椒(仁淀川山椒企業組合)
・新規就農者(契約農家)として起業(専業、もしくは他産業との兼業)
→契約農家として、越知町仁淀川山椒企業組合に出荷する。
・企業組合の社員(面接有り)
薬用・食用ともに、山椒のみで生計を立てるためには、かなり広い面積の畑が必要であるため、他の作物(例:生姜、ピーマンなど)も合わせて栽培している組合員が多いです。
山椒を軸とした農業担い手を目指していただきたいと考えています。
ミッションのポイント
募集①:薬用山椒(農事組合法人ヒューマンライフ土佐)
漢方薬で有名なあの「ツムラ」とつながるお仕事!販売価格が固定されており、市場価格に左右されないため、安定して利益を上げることができます。
募集②:食用山椒(越知町山椒組合)/募集③:食用山椒(仁淀川山椒企業組合)
近年のスパイスブームにより需要増加中!販売価格も上がってきています。
他の地域にはない品目の栽培スキルを習得することができ、越知町の主幹品目を栽培できるようになれば、間違いなく地域に貢献でき、やりがいを感じてもらえると思います。また、山椒は、着実に栽培技術を身に着ければ、農業だけで生活できる所得を得られる有望品目です。
こんな方におすすめ
・他の産地にはない品目を栽培することでしっかり稼ぎたい人
・年間を通して色々な品目や、他産業を経験しながら山椒栽培がしたい人
・自然豊かな場所でお仕事がしたい人
住居情報
期間中の住居は、越知町内で無償貸与します。
※活動期間中の家賃は町が負担、ただし光熱水費は利用者負担となります。
<地域おこし協力隊用の住宅>
・間取り:2DK
・専有面積:50㎡(15.12坪)
・築年数:25年(1999年)
外観
室内からの眺望
キッチン
ダイニング
洋室1
洋室2
事前説明
事前に、募集条件やミッションについての説明を希望される方は、個別に担当者や関係者の話を聞くことができます。着任後のミスマッチがないように、まずは気軽なオンライン面談をおすすめします。
<お問い合わせ先>
越知町役場 企画課
〒781-1301 高知県高岡郡越知町越知甲1970 番地
TEL:
0889-26-1164
FAX:0889-26-0600
E-Mail:
kikaku@town.ochi.lg.jp
越知町ってこんなところ
越知町は高知県の中西部に位置し、”四国の屋根”石鎚山系の山々に囲まれ 日本で最も古い地質の横倉山は、町のシンボルになっています。町の花になっているコスモスの名所「宮の前公園」では、毎年コスモスまつりが 行われ多くの観光客が訪れています。
また、”水質日本一の清流”仁淀川は、カヌー、ラフティング、キャンプなど アウトドアを満喫できる人気スポットになっています。
一方、山々を見渡せる町の中心部には商店街があり、役場・銀行・郵便局・小中学校・病院などの施設や、スーパー・コンビニが徒歩圏内にコンパクトにまとまった便利な町です。
勤務条件・待遇等
◉募集期間
随時募集
◉募集対象
①都市地域に住民票を置いている者で、越知町に住民票を異動し、移住のできる方。
※現在のお住まいが都市地域(過疎地域以外)に該当するかどうかについては、お問い合わせください。
②心身ともに健康で、この活動に意欲と情熱を持って参加できる方。
③地域になじむ意思があり、住民と共に地域活動に取り組む意欲のある方。
④普通自動車運転免許証を取得している方。
⑤パソコンを使って文書の作成や表計算、電子メール等ができる方。
⑥地方公務員法第16 条に定められている次のいずれにも該当しない方。
・禁固以上の刑に処せられ、その執行を終わるまでまたはその執行を受けることがなくなるまでの方。
・日本国憲法またはその下に成立した政府を、暴力で破壊することを主張する政党その他の団体を結成し、またはこれに加入した者。
◉募集人員 募集①②③で各1名
◉勤務地 越知町内で勤務
◉勤務日及び勤務時間
勤務日は原則として週4日間(週29 時間)。1日の勤務時間は8時30分から16時45分(休憩1時間)。ただし、業務内容により変更も有り。時間外勤務については振替対応とする。
◉雇用期間・雇用形態
・越知町長が委嘱する。
・委嘱日から令和7年3月31日
(任期の始期は、隊員の都合により調整可能とする。)
(次年度の委嘱に関しては、双方協議のうえ決定する。最長3年間)
◉報酬
・報酬は月額171,305円~とする。(※スキルや経験等を考慮し決定します。)
・賞与・通勤手当あり。
※時間外手当・退職手当等の支給はありません。
◉待遇・福利厚生
・社会保険(健康保険・厚生年金・雇用保険)に加入。
・年次休暇については労働基準法等関係法令による。
・住宅は越知町内で無償貸与します。
・勤務時間中は、活動に必要な自動車とパソコン、事務用品は町が貸与します。
・業務に要する経費や業務に要する資格取得などの経費は、予算の範囲内において町が負担します。
※活動車両は町が負担しますが、休日等の自家用車は各自手配してください。
・副業は業務に支障のない範囲で認めます。