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創業60年以上の「鋳物(いもの)」メーカー、トミナガ。様々な分野で活躍する鋳鉄製品は、私たちの暮らしを支え、社会に無くてはならないものばかり。
トミナガの始まりは、1959年。高知県内で鋳物(いもの)を製造する工場としては後発のスタートでした。鋳物とは、溶かした金属を型へ流し込み、冷やし固めたもの。鋳物に使われる金属にはアルミや銅、鉛など様々な種類がありますが、トミナガは鋳鉄(ちゅうてつ)と呼ばれる鉄を加工する分野に特化しています。鋳鉄で作られた部品は強度としなやかさを併せ持ち幅広い用途に使用されるため、鋳物業界では、鋳鉄を扱う業者が圧倒的に多く、私たちの身近にも多くの鋳鉄製品が存在しています。
トミナガの製品には船舶部品、公共設備、そして産業機械に使われる部品と、大きく分けて3種類あります。産業機械の中では、特に生地を編む機械にトミナガの部品が用いられており、これは売上の3割を占める主力商品です。有名アパレルメーカーの商品についてもトミナガの部品を使用した機械で編んだ生地が使用されていて、私たちが普段着ている服もトミナガ無くしては存在していないのかもしれないのです。
鋳物は安定して製品をつくることが難しいと言われています。溶かした鉄が固まる時に、温度変化で金属が収縮してしまうため製品の安定性が確保しづらく、温度を見極めて適切な処理を施す技術が必要とされています。しかし、トミナガの製品は寸法の精度が安定していて歪みがなく、また硬さも一定であるとお客様から高い評価をいただいています。
これが可能になっているのは、厳選した材料を使用し、型作りには経験とノウハウが活かされ、さらに最新の技術を取り入れた品質管理が徹底されているからこそ。良い鋳鉄製品をつくることができているのは、あらゆる工程にこだわったものづくりの結果なのです。
設計から納品までワンストップで
トミナガでは、お客様の要望や用途に合わせて綿密に打ち合わせを行った上で、設計、鋳造、品質検査のすべての工程を自社で行い、納品しています。業界内では、この工程の一部分だけに特化してその他は外注するなど、工程の細分化が進んでいます。そんな中にあっても、トミナガはワンストップで引き受け、全工程に責任を持って製品をお届けするものづくりを行なっています。
高い品質レベルでこれを実現するためには、各工程におけるプロフェッショナルの育成が必須です。若手社員は資格取得等のための講習会や研修会に参加し、同業他社の取り組みを学び、同業者とのネットワークを築いていきます。吸収した技術や知識は社内にフィードバックし、技術の継承を行なっています。製造に関わる部署はもちろん、その他の部署との連携も密に行い、全社員が互いに知識や技術を高め合いながら、最高の製品を造るという思いで一丸となって取り組んでいます。
トミナガのものづくりにおいて、IT技術は欠かせないものです。10年以上前から解析ソフトを導入し、不良品の削減と品質の向上に努めているほか、3Dスキャナーで規格との誤差が生じていないかを細かく検査しています。さらに、鋳造シミュレーションでスピーディーに試作品を造り、お客様との調整に用いるなど、業務を効率化する新しい技術を積極的に取り入れています。IT技術を活用して効率化と品質の担保を行い、鋳鉄の工程では社員一人一人の技術を磨く。その結果、社員の負担を軽減し、品質を向上させることが可能となっています。
そのほか、部門ごとに職場環境改善に向けて会社に提案する取り組みも行なっており、新しいもの・技術を取り入れることに積極的なトミナガでは、社員の声も柔軟に取り入れる社風があります。
ものづくりはアイデアを形にするということ。社員からのアイデアを取り入れた改善には芽が出るものがあれば、芽が出ないものもあります。それでも、挑戦しなければ進化はありません。トミナガは技術力を柱に、新しいアイデアや技術を取り入れ、これからも挑戦していく企業です。
企業名: 株式会社トミナガ
業種: 製造業
所在地:高知市布師田3981-5
左:取締役総務部長、右:取締役社長
※この記事は、2023年3月17日時点の情報を掲載しております。
当センターは、高知へのUIターンに役立つ最新情報を発信しているほか、各市町村で活躍する移住者のみなさんの活動も応援しています。ご感想、ご質問は高知県移住コンシェルジュまでお気軽にお寄せください。
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