廣瀬製紙株式会社は、土佐和紙の抄紙技術を進化させ、不織布などの合成繊維製造を行う会社です。経済産業省のグローバルニッチトップ企業100にも選出された、業界をリードする会社です。
廣瀬製紙は、土佐和紙を製造する小さな工房がルーツです。パルプの登場によって和紙業界が苦境を強いられていた時、立ち上がったのが創業者の故・廣瀬晋二です。研究の末、日本で最初の合成繊維「ビニロン」を用いた湿式不織布の開発に成功します。和紙の抄紙技術を進化させることで、新たな産業を生み出しました。
この不織布は、編まずに繊維同士を様々な方法で結合させたシートで、マスクや包装紙など身近なものから、宇宙関連の素材まで幅広く使われています。技術と品質にこだわり質の高い不織布の製造開発を続け、現在では「機能紙」として先端技術分野には必要不可欠なものとなっています。
実は暮らしのそばにある、廣瀬製紙のつくる「機能紙」
廣瀬製紙の技術は、生活の中のあらゆる場面で活躍しています。
例えば、カステラの表面についている、「くっつかない紙」。商品に張り付かず、外れることがない、カステラにはなくてはならない存在です。また、乾電池の中にも不織布がしようされています。正極と負極を分離させるためにしようされている不織布、電池用の「セパレーター」です。乾電池が国内に普及してから40年以上、トップランナーとして不織布を提供し、技術改良を続けています。現在は国内シェア約60%、全世界でもなんと30%近いシェアがあります。
さらに近年、独自の技術で世の中を驚かせたのは、「再薄葉紙製法」で1mm以下の薄さを実現した断熱シート。 熱さ200℃のホットプレートの上でも、この断熱シートを敷くと、氷が溶けないのです。スマートフォンのカメラ部分やスマートウォッチの裏側に、熱対策として使用されています。
そして、革新的な技術により、10億分の1(ナノ)の世界を実現し注目されているのが、「ナノファイバー新製法」を使用したマスク。空気中の微粒子である花粉・PM2.5やウィルスまでも99%カットできる、業界初の画期的な商品として市場に登場しました。
廣瀬製紙の世界最先端の独自技術が、見えないところで私たちの生活を支えてくれているのです。