馬路村とは?
馬路村は、周りを1,000m級の山々が囲み、村の面積の96%が森林という山奥の小さな村です。
村の中心を流れる清流安田川は、鮎やアメゴなど川魚の宝庫で、夏には川遊びを楽しむ人でにぎわいます。川の畔には、村を代表する宿泊施設「馬路温泉」があり、地元ならではの料理と美肌効果があると評判の温泉を目当てに、地元の人々や多くの観光客が訪れています。
「柚子の村」としても全国に知られ、ぽん酢しょうゆ「ゆずの村」やゆずはちみつ飲料「ごっくん馬路村」は、高知県内のみならず、首都圏でも流通しています。11月になると村には柚子の香りが漂い、多くの住民が柚子の収穫に汗を流します。
移住案内スタート
集合場所である馬路村役場に到着!役場の移住コンシェルジュの山﨑さんが温かく迎えてくださいました。
まず、本日のスケジュールを確認します。移住希望者の要望に合わせて訪問先を調整してくださいます。
1日の流れを確認した後、「移住相談記録表」に必要事項を記入し、マルチワークについてのお話を伺いました。
マルチワークについて
馬路村では、数年前から村内で働いてみたい方を「マルチワーク」という働き方でサポートする取り組みを行っています。役場の担当職員である井上さんに詳しい話をお聞きしました。
●マルチワーカーの働き方とはどんなものですか?
複数の職場に派遣します。移住者にとっては、村の複数の職場を経験できるため、本組合を「お試し就職」的に活用し、最終的に自分に合うと思った職場に就職するということも可能な事業です。また、もちろん組合でマルチワーカーとして働き続けることもできます。
●どんな派遣先があるんですか?
現在、5つの派遣先があります。1つ目は、馬路温泉でのフロント接客とレストランの補助です。2つ目は、社会福祉協議会での配膳補助と見守り業務です。最近、デイサービスセンターでの業務が増えました。3つ目は、馬路村農協でのゆずの加工品製造と出荷作業です。4つ目は、馬路林材加工組合での製材作業です。女性には難しいと思われるかもしれませんが、昨年には女性を派遣した実績があります。昨年度まではこれら4つの事業所への派遣のみでしたが、今年度から5つ目として魚梁瀬石油店が派遣先に加わり、ガソリンスタンドでの給油などの業務を行います。さまざまな場所で働くことで、村民に顔を覚えてもらいやすい点も、この仕事の良さの一つです。
●派遣先はどのように決めているんですか?
最初に、それぞれの派遣先で1ヶ月ずつ働き、仕事内容が自分に合っているか確認していただきます。その後、働き方や派遣先の希望をお伺いしながら、勤務日と派遣先を決定していきます。例えば、月曜から水曜は社会福祉協議会で働き、金曜と土曜は馬路温泉で勤務している方もいます。また、土日休みを希望される方の場合は、平日の5日間に社会福祉協議会と馬路村農協で働いている方もいらっしゃいます。
●どんな方が働いていますか?
現在、20代~40代の女性2名と男性1名の合計3名が働いています。自動車免許さえあれば、他に必要な資格はなく、派遣先の仕事内容が未経験でも問題ありません。
●どんな方でも働けるんですか?
年齢制限などの条件はありませんが、できれば事前に一度村にお越しいただき、村の暮らしを体験していただいたうえでご検討いただくことをおすすめしています。そこに魅力を感じていただいた方には是非働いてもらいたいと考えています。
昼食
井上さんからマルチワークの説明を受けた後、村役場の目の前にある昭和44年から続く名店「やまなみ食堂」で昼食をいただきました。
お店の方は、案内してくれた山﨑さんたちと気さくに会話されており、村民に親しまれている場所だと感じました。メニュー表は、馬路小学校の生徒が手作りしたもので、とても可愛らしかったです。
私は、焼肉定食を注文しました。ご飯、スープ、サラダがセットになったボリューム満点の定食で、ピリ辛に味付けされた焼肉はとても美味しかったです。量と質をの両方を兼ね備えた最高の定食でした。
オムライスやカレーライスなど、さまざまなメニューがあります。やまなみ食堂は平日の11時から13時までの営業です。
村内案内①
午後から村内案内開始!まずは、役場周辺の施設として「うまなび」と「つどマル」を案内していただきました。
「うまなび」内には、図書館やフリースペースがあり、村内の子どもたちが本を読んだり勉強したりすることができます。
「つどマル」は、妊婦さんや子育て中の保護者の方がいつでも利用できる場所です。ここでは、子育ての相談に応じたり、子どもたちの遊び場を提供したりしています。
移住者インタビュー
続いて、役場から移動して、馬路村農協の相名工場へ向かいました。
こちらで、今年4月からマルチワーカーとして働いている30代男性の方にインタビューをさせていただきました。
●なぜ馬路村に移住しようと思ったのですか?
母が馬路村出身で、祖父母も住んでいたため、小さいころから年に2回ほど村に訪れていました。村の雰囲気が好きで、ずっと住んでみたいという思いを持っていました。祖父母の家がすぐに使える状態だったのも、移住を決める上で大きなポイントでした。
●移住する前は何をしていたのですか?
関東でサラリーマンをしていました。また、関東以外でもさまざまな場所で働いた経験があります。
●なぜマルチワーカーの働き方を選ばれたのですか?
副業ができる点に魅力を感じました。将来起業することも検討しているので、柔軟な働き方ができるのは大変良いです。
●現在の派遣先を教えてください。
社会福祉協議会と馬路村農協で勤務しています。
●勤務日はどうなっているんですか。
平日の月曜~金曜が勤務日です。土日休みを希望していたので、その希望に応じて派遣先を決めてもらえたのはありがたいです。
●馬路村の暮らしはどうですか?
移住前と比べて収入は減少しましたが、支出も減少したので問題ございません。職種によっては残業もあるかもしれませんが、今のところ残業がないので、帰宅後は資格取得のための勉強や家庭菜園を楽しんでいます。初めての家庭菜園で収穫できたことが嬉しかったです。周りに飲食店がないため、もちろん自炊をしています。
●村内に農協ストアや個人商店があって、そちらでも買い物ができると思いますが、どのようにされていますか?
週末に奈半利町や安芸市のスーパーでまとめて買い物をしています。不便だと思われがちですが、Amazonで注文すれば翌日に届くため、全く不便だとは感じていません。
●今後の展望を教えてください。
派遣先のどこかで就業を続ける可能性もありますし、起業する可能性も考えています。様々なことに取り組みながら、ゆっくりと今後の方向性を考えていきたいと思っています。
村内案内②
インタビュー後、近くの「相名地区」を案内してもらいました。
こちらは、「にほんの里100選」に選ばれている場所で、ゆず畑と棚田が広がる景色がとても素敵でした。
その後、食料品や日用品を販売している「Aコープ馬路」に行きました。最寄りのスーパーまで車で30分ほどかかる馬路村にとって、重要な役割を果たしています。
続いて、「ゆずの森加工場」へ移動しました。ここでは、全国的に有名な「ごっくん馬路村」の製造ラインが無料で見学できます。馬路村を訪れた際は、ぜひご覧ください。
教育環境
次に、村内の教育環境を案内していただきました。
現在、保育所には16名、馬路小学校には29名、魚梁瀬小学校には3名、馬路中学校には12名、魚梁瀬中学校には5名の児童生徒が在籍しており、全て役場周辺に位置しています。運動会は、保育所、小学校、中学校が合同で行っています。
馬路村では、小中一貫校制度を取り入れており、小学校では、中学校入学時の不安を取り除くために、中学校の先生が授業を行う「乗り入れ授業」を実施しています。入学前から知っている先生が多くいることで、安心して中学校生活に移行できるようになっています。
今回は校舎内には入らなかったのですが、希望すれば、校舎内の案内もしていただけます。
Uコネクト
村内案内の最後に訪れたのは、観光案内所の「まかいちょって家(や)」です。
ここには「うまじむら移住サポート Uコネクト」の移住相談室があります。休日の移住相談でも、今回の移住案内をしてくれた岡本さんと山﨑さんが親身になって対応してくださいます。
最後に、県外出身の2人に馬路村の魅力を聞いてみました。
●岡本さん:村外出身者にも、分け隔てなく接してくれます。それでいて、さりげなく家の玄関に野菜の差し入れを置いてくれたりと、近過ぎず遠過ぎずの距離感が心地よいです。どの職場も働きやすく、それぞれ小さな組織ならではの風通しの良さやチームワークに強みがあると思います。面白いことに村をあげて取り組む雰囲気があります。
●山﨑さん:川、森、星といった自然が本当に美しいです。今年の夏は特に暑かったので、仕事帰りによく川に浸かって涼んでから帰っていました。こんな体験ができるのは馬路村ならではだと思います。また、小さな村なので家から職場までの距離が近いのも良い点です。昼休みにもすぐ家に帰れるので、いい気分転換になっています。
移住案内を終えて
馬路村を訪れるたびに、青々とした山々と清らかな川の景色に心を奪われます。仕事帰りに川に浸かってから帰宅できるほど、自然が身近にあるのも大きな魅力です。
自然だけでなく、村に住む方々も魅力的です。今回の移住案内をしてくださった山﨑さんは、暮らし、仕事、教育など馬路村についてあらゆることを詳しく教えてくださいました。このような存在がいることは、移住相談をする際に非常に心強いと感じます。私も馬路村に移住したいと思うようになりました!
馬路温泉、ゆずの収穫やキャンプ場の運営などでふるさとワーキングホリデーも実施しているので、ぜひそれを利用して馬路村での生活を体験してみてはいかがでしょうか。また、今年度から新しい事業「シングルペアレント支援事業」がはじまりました。シングルペアレントの方が親子で馬路村への移住を体験できるプログラムです。興味のある方はぜひご相談ください。
馬路村役場では、私が体験したような移住案内を随時受け付けていますので、ぜひご相談ください。電話やメール、オンラインでも移住相談を受け付けております。
【問い合わせ先】
馬路村役場 地域振興課
電話番号:0887-44-2114
メール:info@umaji-iju.jp
HP:https://umaji-iju.jp/
イベント出展情報
馬路村は、12月7日(土)、8日(日)に東京で開催される「JOIN移住・交流&地域おこしフェア2024」に出展します。当日は、岡本さんと山﨑さんがブースで移住相談をお受けします。馬路村やマルチワーカーに興味のある方、シングルペアレント移住をお考えの方は、ぜひご参加ください。
高知暮らしをお考えのみなさまのご相談を承ります!
移住までの経緯や高知での生活の様子、地元の方に思いなどを聞きました。
企業就職以外の『高知ならではの多様な働き方』をご提案します。
高知県へのUIターンに関するイベントや移住者向け交流会の情報を掲載しています。
イベント情報や支援情報など、
最新の情報をメールでお知らせします!