移住者インタビュー

自分を変えてくれる場所 ― 緑と青のある暮らし

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第二の故郷に高知を選んだ小塚さんをインタビューしてきました!

小塚 舞子

  • 出身地:大阪府
  • 現住所:高知市
  • 移住年:2024年
  • 職業:タレント・ライター・カレー研究家

高知との出会いは夫のひとこと


 ライブで全国をまわっていたミュージシャンの夫に、「高知はおもしろい場所だからおいで」と言われ、ライブについて行ったのがきっかけ。
 高知は田舎だと思っていたけど、全然そんなことないし、すごくセンスのある人が多くて、初めての海外旅行と似たような衝撃を覚えましたね。そこから5年間、暇を見つけては高知を旅するようになりました。行きたいお店がいっぱいあるけど、数日だと全部まわりきれなくて、もういっそ住んじゃう?って話も出るくらい(笑)、高知に夢中でした。

小塚さん

価値観に変化。移住を決意


 ずっと仕事のために大阪に住んでいたんです。でも、仕事のために住む場所を決めるより、気に入った場所に住んで、そこから働き方を考えていく方がいいんじゃないかなって思えてきて。行くなら高知しかないって、決めましたね。

 高知がなかったら、たぶん移住という選択はなかったと思います。食べ物もおいしいし、景色もきれいだし。でも結局、高知の人が好きです。のんびりしてるし、明るいし、怒ってる人がいないのがよかった。

 もともと住んでいた場所が結構都会だったんです。建物も人も多くて、電車も満員で、行き交う人が険しい顔をしているように見えていました。なんかもうみんな怒ってる感じがして。でも高知だとすれ違いざまでも、目が合うとみんな笑ってくれるじゃないですか。それにビックリして、すごく居心地がいいところだなと思いました。

大切にしたいことに気づいた


 大阪では、子どもにいくら信号を守るように教えても、横からピューっておじさんが行っちゃうんですよ。信号は赤なのに。「あの人は何で渡っているの?」と、子どもは不思議がりますよね。それで「守れない大人もいるんだよ、ダメだね」って話をしていたら、(おじさんに聞こえると)トラブルの元になるからって夫に怒られたりして。「なんで私が怒られるの!」って私も怒って。そんな日常にストレスを感じていました。

 高知はわりと交通量が多い道でも、横断歩道に信号がなかったりしますよね。でもちゃんと止まってくれるように思います。信号なんてなくても、やっていけるんですよね。ルールをつくらなくても、ゆずり合える文化がある。これが高知の人柄なんだなって思いました。

 道ですれ違った人と瞬間的に会話がうまれたり、接点ができることは都会ではあまりないように感じます。むしろ目が合ったら気まずい感じさえあるけど、本当は目が合うことは悪いことではないし、笑い合えたほうが誰だってうれしい。人間の暮らしってこういうことだよなと、教わりました。

小塚さん

不便さを超越する、ストレスフリーな毎日


 家探しは物件情報が少なくて苦労しました。インターネットで見てたんですけど、待てど暮らせど新しい物件が出なくて、結局「もう、行っちゃお!」って、最初に内見した家に今住んでます。
 あと、不便と言えば交通の便!バスが来ないとか、時間前に出発しちゃってるとか(笑)何度か違うところに行っちゃったりもしましたね。でもそれを超えるぐらい他にストレスを感じずに暮らせているので、気持ちいいです。

電車

都会より洗練された独自の文化


 高知は個性的で素敵なお店が多いですよね。都会より都会的というか、洗練されている。カフェひとつにしてもすごくお洒落で、でも見かけだけじゃなく、こだわりの詰まった、とびきりおいしいものを出してくれる。高知のカルチャーは独自に発展していて、おもしろいです。よそからの影響を受けていない、流行りに流される人が少ない印象もあって、いつも刺激をもらいます。安藤桃子さんがインタビューで「高知は日本の最先端だ」っておっしゃってて、もうまさにそれや!って思いましたよね。

 うちから車で15分~20分ぐらいのところに川があって、おかげで休みの日に困らなくなりました。
 子どもがいると、いつもどう時間を潰そうかって考えていて、何か休みらしいことをしてあげなくちゃって、焦っていました。でも川遊びをしたり、自然の中にいると、いつのまにか時間が経っていて、あ!もう3時だ、帰らないと。って驚くことも多いです。大人も一緒に楽しんでいるからですかね?時間の流れが穏やかになりました。


小塚さん

つながりや関わり合いが当たり前にある暮らし


 前まではまわりにすごく気をつかってたんですよ。誰かに怒られるんじゃないかって思いながら子どもと遊んでいました。
 あるとき、日曜市でカニ(ヤドカリ?)を売ってて、それを子どもが夢中になって見ていたんです。都会だと、ほかのお客さんの邪魔になるからと、嫌な顔をされることもあって。なので、お店の人が近づいてきたとき「あ!すいません!」って帰ろうとしたんです。でもそこでは、お店の人がポケットから小さいひよこのおもちゃを取り出して子どもに「はい!」ってくれたんですよ。

 みんな話しかけてくれるし、一緒に子どもを育ててくれるし、自分ちのおばあちゃんみたいだし、愛されてるっていう感じがしますね。地域のみんながあたりまえに子どもを愛してくれてる感じがすごくいいです。自分もそうでありたい。
 大阪にいるときよりも、人とふれあう機会が多くなりました。都会の方が人は多いけど、知らない人に話しかけようものなら、変な人だと思われて警戒されますし(笑)
 子どもは引っ越した翌週にはもう土佐弁の「~ちゅう。」と「~きー。」は使ってましたね。

小塚さん

働き方と心に変化


 仕事で大阪に行くのが楽しくなりました。今までは「仕事に行くぞ!仕事に!!」て感じだったんですよ。それが旅の延長線上みたいで、ワクワクしながら働きに行けるようになりました(笑)

 高知に来て、あまり人と比べなくなったからかもしれないですね。元々すごく比べてしまう性格で、それで落ち込むことが多かったんです。でもある時、人から見られる自分より、自分から見える景色の方が大切だということに気がついたんです。
 高知の人はみんな好きな服を着て、好きなスタイルで、他人が見てどう思うかということよりも、自分が心地よく過ごせる方法を選択してる気がします。それは着飾るよりもずっと輝いていて、美しい。そんな高知の人たちをお手本に、私も私が暮らしやすいように、自分の感覚を大切にしたいです。

 今後は高知をメインに仕事をしていきたいです。県外へはちょっと出稼ぎに行くくらいが理想。高知といえば!で思い出してもらえる人になりたいです。


小塚さん

伝えたいこと


 高知移住を考えている方には、「とりあえず来た方がいいよ!来たら何とかなるから!」って伝えたいです。そういえば、私もそう言われて、本当にのこのこ来てしまいました(笑)
 仕事に関しては、みんなとにかく話を聞いてくれたり、興味を持ってくれることに感動しました。都会だと人が多い分、聞き流されてしまうようなことでも「こういうことがやってみたい」って言ったら、じゃあどうしたらいいかなって考えてくれる風通しの良さがあるのが高知。
 まずは来て、高知の人に相談してみるといいよ!って言うと思います。誰か助けてくれるからって。
 
 あと、移住者と地元の人との垣根があまりないところも、高知の特徴だと思います。
 私の地元では、移住者は山の方に住んで、なにやらおもしろい取り組みをやっているけど、地元の人はそれを知らないことがほとんどでした。高知だと、みんなでおもしろがってくれますよね。「最近移住の方がおいしいお店出したみたいだから行ってみよ!」って興味津々で出かけていく。移住者にとって、地元の人と仲良くできるかは大きな課題でもありますが、高知では心配ないのではないでしょうか。みんな人が好きだし、好奇心旺盛だし。移住してきたことを話すと、喜んでくれる人ばかりで、私もうれしいです。


小塚さん

高知は「自分を変えてくれる場所」


 引越してまだ数カ月ですが、これからもっと自分は変わっていくだろうなという予感があります。自分を支えてくれるところだし、ふるさとになっていくところ。 高知は、自分を変えてくれる場所ですね。誰かと比べたりせず、正直でいられる気がします。

緑と青のある暮らし ― 高知にいると ―

取材後記

 住む場所と働く場所が必ずしも一緒でなくていい。そう気づいたときに、自分にとって豊かな人生とはなにか、もっと大切にしたいことはなにかを、じっくり考えるのかもしれません。

 第二のふるさとに”高知”を選んだ小塚さん。人と人との繋がりや関わり合いを大切に、自然と愛に満ち溢れた高知ライフを満喫してくださっています。
 小塚さんのインタビューを経て、私も改めて今ある高知での暮らしに喜びと誇りを感じることができた1日でした。高知でのご活躍も全力で応援していきます!


※この記事は、2024年10月1日時点の情報を掲載しております。
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