移住者インタビュー

移住しワイン食堂をオープン!「自分たちらしく」暮らせる場所で、これからの夢を描く

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香美市に移住し、ワイン食堂をオープンした嶋田さん夫妻にお話を聞きました。

嶋田恭平さん
  由希子さん
   

  • 出身地:東京都
  • 現住所:香美市
  • 移住年:2022年
  • 職業:飲食店経営

自分たちの力でゼロから挑戦!子どもたちに見せたい親の背中

恭平さん:東京にいるときは、実家の仕事であるイタリア料理店の調理・経営をしており、毎日のように仕事をしていて、妻や子どもと過ごせる時間はとても少なかったです。

由希子さん:夫があまりにも忙しくしていたので、当時の私たち夫婦は完全分業制でした。夫が仕事、私が家事・育児を担当するという形で、年に何度かある連休が数少ない家族の時間でしたね。

恭平さん:移住を考え始めたのは30歳を過ぎた頃、これからの人生を考えたことがきっかけでした。イタリア料理店の経営はしていましたが、そこは両親のお店です。「自分の力」をゼロから試してみたいという思いから、自分のお店を持ちたいと考え始めました。また、子どもには自分たちで生きていく力を身につけてほしいと考えていたので、親の私たちがまずその姿を見せなければと本格的に移住を考え始めました。

由希子さん:夫から高知移住の話を聞いたときには、特に反対はしなかったです。移住したいという気持ちは知っていましたし、夫の決意を聞いて「行くっきゃない」と腹をくくりました。ただ、車の運転や子どものことなどで不安は多少感じていましたね。

「NPO法人いなかみ」の手厚い支援に、安心して移住を決める

恭平さん:生まれ育った地元をそれまで出たことがなかった私は、母の出身地で親戚もいる高知県を移住候補地に絞って情報収集を始めました。インターネットで情報収集を行ったり、オンライン交流会に参加したりする中で、香美市への移住を支援する「NPO法人いなかみ」を知り、連絡を取るようになりました。空き家バンクで空き家の情報を教えてくれるだけでなく、道路など周辺環境まで事細かに教えてくれ、「思ったより道が狭いな」と驚くこともありました。

由希子さん:実際に現地に足を運んだ際には、小学校への下見に同席してくれ、私たちと同じ目線で質問をしてくれるなど、とても頼りになる存在でした。私たち家族のために、たくさんの時間を割いてサポートしてくれました。

困ったときには手を差し伸べてくれる、香美市で出会った人たち

恭平さん:「いなかみ」が紹介してくれた物件に決め、2022年2月に香美市に移住しました。そこから開店に向け準備を進め、5月1日にワイン食堂「ALO」をオープンさせることができました。 準備期間中にはたくさんの人に助けてもらいました。先輩移住者や香美市でお店をしている自営業者の先輩などには、特にお世話になりました。施工業者を紹介してくれたり、実際にお店づくりを手伝ってくれたり、それぞれのSNSで紹介してくれたり。いろんな方面でサポートしてくださり、人脈が広がっていきました。

由希子さん:お店以外の部分では、移住者交流会に参加して移住者の人と繋がることができました。みなさんが温かく迎えてくれたことが印象的でしたね。また、子育て世代の友人ができたことで、一緒に川遊びに行ったり、磯遊びに行ったりと、高知の自然の中で遊ぶ体験ができています。

いざ移住すると大変なことも…

由希子さん:移住には教育・行政関係の手続きがたくさん必要です。転出・転入、小学校は転校、保育園は入園の申請など。何度も電話をしながら手続きを進めました。そして、特に大変だったのが金融機関です。高知にはメガバンクが1機関(高知市)しかないため、それまで使っていた金融機関を変更しなければなりませんでした。そうした手続きは予想以上に大変でしたね。

恭平さん:あとはガソリン代や物価が意外と高いことに驚きました。また、医療機関など社会インフラにも地域差があることは念頭に入れておくべきですね。

由希子さん:その点香美市は、高知市内の便利な買い物スポットへのアクセスもよく、車を少し走らせれば山・川・海といった自然があるという、住環境と利便性のバランスがよい街です。住みやすく、「自分たちらしく暮らせる場所」だと感じています。

「ALO」を通して広がる個性豊かなコミュニティ

由希子さん:「ALO」は現在休みが週二日あり、休みの日には、知り合いのカレー屋さんが営業しています。今後も、様々な人にこの場所を利用してもらいたいと思っていて、コミュニティの拠点となればと思っています。

恭平さん:「ALO」としては、今後専門店の展開やゲストハウス、農業体験型飲食店などにチャレンジしたいと考えています。香美市に移住してから、たくさんの優しい人たちに出会ってきました。私たちのことを自分のことのように考え、行動してくれる人ばかりです。たくさんの人に関わってもらって完成したお店ですので、これからも出会ったみんなと一緒にお店を作っていけたらと思います。

現地での下見は必須!余裕を持って計画を

恭平さん:移住を決意するときには、「あ、ここだ」という直感でOKだと思います。ですが、下調べや現地に足を運んでの下見は必須です。雰囲気ではなく、現実をしっかりと見ることで、理想とのギャップを最小限にしていくことが大切だと思います。

由希子さん:できれば、何度も足を運んで欲しいです。そのためにも、日数や金銭的な余裕は持っておきたいですね。私たちの場合は、移住後にお店をオープンするまで3ヶ月ほど要しましたので、その間の生活費なども考えておかないと、移住後に焦りに変わってしまうと思います。

恭平さん:十分に準備したとしても、不安を全て払拭することは難しいかもしれません。最後は勢いです。「自分たちの実現したいこと」という軸をぶらさずに持って、移住をしてくださいね。


■店舗情報
ALO(アロ)
住所:香美市土佐山田町旭町1丁目2-20
TEL:無し
営業時間:Instagram(@alo_kochi)よりご確認ください
休:水曜、日曜(臨時休業することがあります)

※この記事は、2022年9月1日時点の情報を掲載しております。

取材を終えて(編集後記)

 初めてご相談にお越しくださったときからご夫婦ともに綿密な事業計画と地方移住を見据えられていましたが、実際に行動に移していく中では、さまざまな壁に突き当たったことかと思います。そんな中でも家族間での協力・周囲からのサポートを得ながら乗り越えながら励まれている嶋田様ご夫婦のお姿は、これからも香美市でそして高知県で愛され続けるお二人なのだと実感しました。
 開業から半年、念願のランチをいただきました。素材のうまみが存分に引き出された身体に優しい“味”です。ゆったりと流れる高知時間に揺蕩いながらお客様との会話を楽しむお二人を見て、幸せな気持ちになりました。水の波紋が広がるように、嶋田様とALOの空間は訪れた人たちにも自然と幸せを伝えていかれることでしょう。


当センターは、高知へのUIターンに役立つ最新情報を発信しているほか、各市町村で活躍する移住者のみなさんの活動も応援しています。ご感想、ご質問は高知県移住コンシェルジュまでお気軽にお寄せください。



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