5月18日、「2019年度 こうちアグリ体験合宿」に参加してきました!
年4回開催される「こうちアグリ体験合宿」は、農業の現場が学べる2泊3日の体験型短期研修で、移住や農業に興味があり、実際に体験してみたい方におすすめな合宿です。
今回、コンシェルジュが参加したのは、合宿2日目の「先輩農家訪問」。
南国市シシトウ農家・香南市ニラ農家・香美市ユズ農業研修生の3ケ所を訪問し栽培現場を見学したり、農家の皆さんから生の声を聞きました。
高知県は全国でシシトウ生産の約40%のシェアを誇っています。
まずは、その生産が盛んな南国市を訪ねました。
①[南国市シシトウ農家 / 39歳 男性]
【経歴】 農業担い手育成センターで研修 ⇒ 大規模トマト農業法人に就職 ⇒ 南国市に移住 ⇒ 独立に向け農家研修 ⇒ シシトウで独立就農
もともと県内企業に勤めていましたが、「ものづくり」に興味があって、自分の作ったものを売りたい!それなら農業だと思い独立就農を考え始めました。でも最初は、色々な不安から農業を始める決心がつきませんでした。
まず段階を踏んでやって行こうと【農業担い手育成センター】での研修を経て、いったん春野町のトマト農業法人に就職しました。トマト農家をやっていくのは広い面積が必要だと感じ、面積が狭くても収入になる品目を考えてシシトウ作りの勉強を始めました。
農家になるには地域にとけ込むことも必要だったので、地域の一員になるためシシトウ農家に入って研修もしました。
<コンシェルジュからの一言>
お話を伺った中で、『農業は生活するための手段。生活する為には儲ける必要がある』との言葉が印象的で、生活する為に儲ける仕組みを描きながら、経営者としてのビジョンを持ち農業をされているのが強く感じられました。
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次に訪ねたのは、全国NO.1のニラの収穫量を誇る高知県の中で約40%の生産となる香南市です。
②[香南市ニラ農家 / 60歳 男性 研修生受入農家]
【経歴】 親元で就農(花き栽培) ⇒ ニラに転換 ⇒ 指導農業士認定 ⇒ 研修生の受入
花き栽培からニラに転換するのは覚悟が必要でしたが、ニラは初期投資が少なくて済むこと、周年栽培が可能で1年に7回~8回収穫出来るので、失敗をしても取り戻すことができるし、収量が多ければ収入アップにもつながるなど利点も多いと感じていました。農業は毎年同じことをやるのではなく常に前向きに動くことが大切で、それが成功の秘訣だと思っています。
今はハウスと露地でニラを栽培していますが、買取価格が高騰する時期に収穫のピークを持ってきたり、作付け時期を調整すれば休みを取ることもできますよ。2019年からは研修生の受け入れを行い農業担い手の育成を行っており、今は研修生と一緒に作業しています。
●[研修生 / 42歳 男性]
【経歴】 農業担い手育成センターで研修 ⇒ 受入農家で研修中
もともと子供に何かを残したいという気持ちがあって、農家だったらそれができるのかなぁという考えから農家になることを決めました。ニラを選んだ理由は、儲かる品目にしたい、できるだけ支出を抑えたいといったことから選びました。
技術を教えてもらわないと一人では何もできないし、人と繋がりを持つことが大切だと感じています。
ハウスを構えたりすることへの不安はあるが、香南市の就農支援などを利用して何とか独立を目指していきたいです。
<コンシェルジュからの一言>
お話を伺った中で、師匠と弟子といった関係はもっと厳しいものかと思っていましたが、とても良好な関係を築かれていて、一年を通して収入がある仕組みがあれば生活にも余裕が持てると感じました。
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最後は「青果ユズ玉」の出荷量が県内一位の香美市を訪ねました。
③[香美市ユズ農家 / 49歳、50歳ご夫婦]
【経歴】 アグリスクール大阪会場受講 ⇒ アグリ体験合宿参加 ⇒ ご夫婦で農業担い手育成センターで研修 ⇒ ご主人ユズ農家で研修中 ⇒ ユズで独立(予定)
自分達夫婦は、【農業担い手育成センター】で学んでいる時も、専業でできる農業がやりたいと思ってはいましたが、品目を何にするかまだ『ぴんっ』と来ていませんでした。
自分が納得がするまで色々な地域を回って情報収集している時に、ユズなら専業で出来ること知り、ユズ農家になることを決めましたが、縁があって、今のユズ農家で研修生として受入れていただいています。
今は園の一部を引き継いで、新しい苗木を50本植えたり、ユズを育てる勉強をしたり大変なこともあるけれど毎日充実しています。常に自分達が新鮮な気持ちでやり続けることが大切なことだと思っています。
生活の変化でいうと小さなことですが、家計簿を付け始めました。
家計簿を付けることで出費の無駄をなくすことをができるので、何かしら役立つと思っています。
<コンシェルジュからの一言>
お話を伺った中で、「自分達が植えた50本の苗木が、30年後に良い仕事をしてくれるのを楽しみにしています!」とおっしゃっていましたが、今の自分のことだけでなく、自分がいなくなった後のことも考えて行動されていると強く感じました。
<就農している先輩からのアドバイス>
・『人との繋がりを大切にすること』(※みなさん共通して言っていました!)
・就農するには家族や周囲の方の協力が必要(特に奥様の理解が必要)
・始めの1~2年は収入がなくても食べていける余裕を持てるよう、自己資金は蓄えておくほうが良い。
・求めている地域に入って行き自分から声を掛けて行けば、色々な形で繋がり情報が入って来る。
<感想>
みなさん移住されて、さらなる『思い』を持って進んでいるなと感じました。
今回、移住コンシェルジュが参加したのは「先輩農家の訪問」でしたが、品目や営農規模の決め方、
農家のお金の流れなど実際に就農された方々から良いことばかりだけでなく悪いことも含め、農業をする際の大切な部分を教えていただきました。
栽培方法から、金銭的なことも話してくださり、就農を目指す方々にとっては「生の声」が聞けた大切な時間だったと思います。
これから農業をやってみたいと考えている方には、この合宿へのご参加をおすすめしたいです。
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