高知県の伝統産業の一つ、土佐備長炭。
名前を聞いたことのある方も多いのではないでしょうか?
土佐備長炭をつくる製炭業は、高知県東部地域の特に室戸市や東洋町を中心に盛んな地場産業の一つ。
とりわけ、ウバメガシやカシ類をつかった炭は炭同士を叩き合わせると、
“キンキンッ”と金属音のような高音が鳴り、高音であればあるほど質の良さを表しているといいます。
今回は、製炭業を生業にされている『炭遊(すみゆう)』こと川田勇さんにお話を伺い、
窯や生産現場を取材させていただきました!
-手づくり窯で、20日間かけてつくる炭
備長炭とはウバメガシやカシを原料とした炭の総称で、土佐備長炭や紀州備長炭などいくつか種類があります。何が違うかというと、製造工程が違うんです。
炭遊では11トンの容量がある手づくり窯を使い、窯の上部から原料を窯入れしていきます。
原料になるウバメガシやカシは、先輩職人から紹介していただいた近隣の山林から自ら切り出し、
木のサイズにあわせて、大きい木は機械で割りサイズをある程度揃えます。
その後、1週間~10日かけて窯の中で乾燥させた後、1週間〜10日間かけて炭化させていきます。
窯を密閉状態にして空気量を調整しながら炭化を進めていくのですが、
気温や湿度などで炭の出来上がりが変ってくるので、ここが最も経験や腕が問われるところ。
気象条件はもちろん、煙の出方などにも気を付けながら1週間ほどかけて炭化を進めていきます。
この時の窯の中は約1,000~1,200度ほどにもなるので、夏はほんとうに暑いんです(笑)
そして、窯から炭を出す「窯出し」。真っ赤に炭化が進んだものに灰をかけて消火していきます。
そうすると白っぽく見えるので、土佐備長炭の特徴の「白炭」と呼ばれるんですね。
出来上がった炭は、状態によって1~12等級にわけられます。
等級の違いはあっても全て24センチに切りそろえ、1箱12キロで出荷をしていきます。
-出荷した炭たちは飲食店等で活躍
土佐備長炭はコツを掴むまでは火を着けるのが難しいのですが、火力が強く長持ちします。
また、炭化して炭が出来上がる過程で炭の中のガスが抜けるので炭独特の匂いが少なく、
県内外の焼肉屋や焼き鳥屋、料亭等で使われています。
-本気の人なら、地元の人じゃなくても職人として独立できる!?
今回お話を伺った川田さんは、家業を継いだわけではなくご自身が一代目として始められました。
独立して今年で7年目、数年の修行期間を経て、師匠経由で自身の窯をつくる土地や窯をつくり、
手間暇かけてこだわりの品をつくっています。アツい想いと努力する姿はまさにプロの職人でした!
純室戸産でつくる「炭遊」さんの炭を購入希望の方は、直接お問い合わせください。
「炭遊」Facebook
室戸市や東洋町にある製炭業の研修があり、最長2年間の間に土佐備長炭の技術を学ぶことができます。
もちろん生半可な気持ちでできるようなものではありませんが、
制作体験ができるので、移住後の働き方として伝統産業に挑戦してみませんか?
※伝統産業や研修制度についてはこちら
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