移住者インタビュー

津野町で、そばに木がある暮らしを。地域おこし協力隊から「木工」を仕事に。

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主に四万十ヒノキを使った家具や雑貨をつくりながら、家族と津野町で暮らしています。

大井 堅嗣さん

  • 出身地:東京都
  • 現住所:津野町
  • 移住年:2018年
  • 職業:木工製作、自動車整備

木工の仕事と、津野町の人との出会い

20代は季節労働を通じて夏は稼ぐ、冬は東南アジアなどの外国に滞在する生活で、各地を転々としていました。30代で神奈川県の家具を製作する木工所に家具職人として就職したのですが、会社の経営が傾き、新たな仕事探しをしていたんです。そのタイミングで妻との間に子どもを授かり、「都会より田舎で子育てをしたい」と移住の検討をはじめました。

移住先と仕事を探すためにいろいろな移住フェアに出向くようになりました。津野町を選んだのは、とある移住フェアで当時の津野町移住担当者の方と出会ったことがきっかけです。「木工製品づくりを続けていきたいこと」、「子どもが生まれるので田舎で子育てしたいこと」を話すと、親身になって相談にのってくれました。移住フェア後も、電話での移住相談や資料の請求などに迅速に対応していただき、相談しやすく、ちゃんと話を聞いてくれる……そんな担当者の人柄に親近感を持てたことが津野町への移住の決め手でした。

まずは「自分ができること」を知ってもらう

当時、津野町では「ミッション提案型(町の課題解決や魅力づくりのために、自分のスキルや経験を活かして自らミッションを設定し活動する)」の地域おこし協力隊を募集していました。私は主に高知県材を使った木工品・家具などの制作・販売を活動テーマとしたミッションに応募をしたところ採用され、地域おこし協力隊員として津野町での暮らしをスタートさせました。

まずは、地域おこし協力隊の活動で町内の工務店に研修で入らせていただき、地域の人と知り合うことから始めました。現場のお手伝いをしながら、工務店のお客さんから家具のオーダーがあれば製作を任せていただいたり、役場の事業で町内の子ども園・老人ホームなどの要望を聞いてテーブルや靴箱を試作して寄贈したりしました。

私の作った家具を実際に見て、触って、使ってもらうことで、地域の方から家具の製作の依頼や、家具やドア・引き戸の修理を頼まれることも増え、徐々に活動の輪が広がりました。

高知県材・四万十ヒノキを使った木工製品づくり

研修でお世話になった工務店の会長さんの「好きなことをしていいよ」という言葉に後押しされて、工務店に間借りさせてもらって商品開発にも取り組みました。スツールやテーブル、名刺入れ、四万十ヒノキのトレイ、マルシェテントなど……。地域おこし協力隊卒業後の事業開始に向け、主に高知県材を活用して自分がつくりたいものを試作し、町内の『風車の駅 津野町ふるさとセンター』や『道の駅 布施ヶ坂』、『星ふるヴィレッジTENGU』などの販売先開拓や、オンラインハンドメイドマーケット『Creema』を活用してネット販売のサイトをつくるなど、販売体制づくりに取り組みました。

「ravi wood’s」で木工の仕事を続けながら、家族と暮らす。

地域おこし協力隊の任期後は町内の自動車整備会社で働きながら、私が事業主として立ち上げた『ravi wood’s 』で、主に四万十ヒノキを使って家具や雑貨を作っています。どれも長い間使ってもらえるように、一つ一つ大切に手作りし、小さなお子様が噛んだり、舐めたりしても大丈夫なように植物性のオイルで仕上げています。また、妻が中心となって、暮らしの身近にある花や果物を使ったアロマづくりもはじめました。

地域おこし協力隊の活動を通じて、家具・木工の仕事が続けられて良かったです。最近は、地域の方から倉庫を借りて作業場を整備することができました。これからは、1点もののオーダー家具の受注を増やしていけたらいいなと思います。また、長く木工製品を使っていただくために、お客様の手に渡ったあとのメンテナンスを請け負っています。家具を通じて、お客様と長いお付き合いを続けていきたいです。そして、ものづくりはこれまで通り、丹精込めて丁寧にしっかりと……。パーフェクトで安全なものをつくっていきます。

移住後に生まれた子どもは近所の方にかわいがってもらいながら、自然豊かな津野町でのびのびと育っています。ただ、都会に比べると周りにいる人が少なかったり、病院を選びづらいといったこともあります。コロナ禍が落ち着いたら、他県に住んでいる両親にも子どもの顔を見せてあげて、家族の時間もしっかりつくりたいです。

移住はゆっくり、しっかり、考えて。

高知県は自然豊かな土地が魅力だと思います。山と海に囲まれて陸の孤島というイメージがあるかもしれませんが、そこで暮らす人はあたたかく、人を迎え入れてくれるウェルカム感があります。

移住を検討する際は、ゆっくり、しっかりと移住先のことを調べるのがオススメです。旅行がてらでいいので、実際にその土地に足を運んで、見て、そこで暮らす人や実際に移住をした人と話して、「本当にここでいいか」とよく考えながら移住を決めることが大切です。


※この記事は、2023年3月14日時点の情報を掲載しております。

当センターは、高知へのUIターンに役立つ最新情報を発信しているほか、各市町村で活躍する移住者のみなさんの活動も応援しています。ご感想、ご質問は高知県移住コンシェルジュまでお気軽にお寄せください。

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