移住者インタビュー
移住までに何度も足を運んだ慎重派の原賀さん。移住のきっかけや高知での暮らしについて、根掘り葉掘り伺いました!
原賀鮎子(はらが あゆこ)さん
神奈川県出身。神奈川で販売の仕事をしていたが、高知旅行の際に見た仁淀川に一目惚れし高知へ移住。2019年6月に越知町の地域おこし協力隊に着任。ミッションは「越知町の観光PRとまちの賑わい創出」。地域を巻き込んだイベント等を企画しつつ、卒業後の生業づくりに向けて奔走中。
「私はここで生まれた。仁淀川の近くに住みたい!」
8年ほど前に旅行で高知を訪れ、いいなぁと思っていました。それから再び一人旅で訪れた際に仁淀川の美しさに感動。名前に“鮎”がついていることもあり、「私はここで生まれた。仁淀川の近くに住みたい!」と思ったんです。当時40歳だったこともあり、まさに今後の人生について考えていたタイミングでした。
知り合いも増え、“ここなら安心だな”
本当に暮らせるかどうか、まずは「ふるさとワーキングホリデー」の制度を利用して、春と秋の2回、お試しで滞在してみました。その間、移住体験ツアーに参加したり、1日だけチャレンジショップを借りてみたり。
実はこの2回のワーホリ以外にもたびたび高知を訪れて、自分の足で歩いてみたりもしたんです。他の市町村も検討した中で最終的に越知町への移住を決めたのは、立地や条件面がフィットしたこともそうですが、役場の方の柔軟な対応をはじめ、好印象だったことも大きかったです。良い面だけを伝えるのではなく「よく考えて来てくださいね」と本当に親身になってくださって、信頼できるなと感じました。
そうして何度も足を運び、少しずつ知り合いも増えたことで“ここなら安心だな”と思うことができました。積極的に移住への準備を進める私を見て本気度が見えたのか、最初は懐疑的だった家族も「やりたいことがあるなら行ってらっしゃい!」と送り出してくれました。
越知町は、原賀さんの大好きな仁淀川が流れる町
“呼ばれている”気がした
実は、移住するときには既に住む家が見つかっていたんです。それも、日当たりの良い平屋で川の近くで…もう最高。ずっとここに住み続けたいです。
今の家に出合ったのは、移住前に一日だけ開店したチャレンジショップに来てくれた先輩移住者とのご縁がきっかけです。もともとその方が住んでいた家で、引っ越すことになったからと紹介してくれて。川の近くに家が欲しかった私にとっては願ってもない物件でした。家のことをはじめ、移住したいと思ってからいろいろなことがスムーズに決まっていき、高知に足を運ぶたびに“呼ばれている”気がしました。
移住後の暮らしの変化
完全朝型生活になったことですね。神奈川にいた頃は目一杯働いて、家に帰ったら23時。それからご飯を食べてお風呂に入るので、寝るのは午前2時…。そんな生活を送っていました。越知町は朝6時にチャイムが鳴るんです。最初はそれで目が覚めていたのですが、今はもう慣れたのか聞こえなくなりましたね(笑)
周囲との距離感は、心地良い
よく言われる“田舎ならではの付き合い”のことは心配していたのですが、地域の行事などにも参加してみたいと思っていたので苦ではありません。協力隊仲間も近所に住んでいて頼れる人が近くにいる安心感もあるし、隣のおじいちゃん、おばあちゃんもつかず離れずの距離感を保ってくれていて、心地良いと感じています。
川沿いをブーンと走るとき、幸せを感じる
最近リトルカブを購入しました。それに乗って仁淀川の景色を見ながら川沿いをブーンと走るとき、幸せを感じます。毎日同じ道を通っても、日によって見え方が違って毎日感動できるんです。毎日がツーリングコースですね。川の作る景色や地形って、本当にきれいです。
愛車のリトルカブ。この絶景が原賀さんの通勤路
素晴らしい財産がたくさんあるのに、もったいない。
私の協力隊としてのミッションは、「越知町の観光PRとまちの賑わい創出」です。越知町には、新しく何かを生み出さなくても素晴らしい財産がたくさんあります。なのに地元の人はそのことに気づいていない。それがすごくもったいないなと思っています。
例えば安藤忠雄さん建築の「自然の森博物館」。多くの人に足を運んでもらえるきっかけづくりをしようと、秋冬にはイルミネーションイベントを行いました。
それから山椒。仁淀川流域って、実は山椒の産地なんです。“仁淀川山椒”は有名ですが、そのほとんどが越知町産だということを知られてなくて、お土産品もない。そこに目をつけ、地元のパン屋さん「メルヘン」と協力して「山椒ミートパン」を開発しました。農業×町の事業者×協力隊で力を合わせて開発した人気商品です。ぜひ食べてみてください。
今後のビジョンについて
実は今、すごく悩んでいるんです。というのも現在協力隊3年目。これから何を生業としていこうか、やりたいことの選択肢がありすぎて、それで悩んでいます。協力隊になったからこそできたご縁も大切にしていきたいし、一方で収支のバランスも考えないといけない。選択肢がありすぎる、というのは嬉しい悩みではあるのですが。
いずれにしても、自分の活動や発信が越知町の魅力を知ってくださるきっかけに繋がれば嬉しいなと思っています。実際、周りの人が越知町にふるさと納税をしてくれたりもしたんですよ。細く長く、そんなことをやり続けていきたいなと思っています。
移住を考えている方へのアドバイス
やはり、何度も足を運ぶことをおすすめします。フィーリングだけで来るのではなく、現実的に見ておいた方がいいこともあります。例えば住みたい場所とか家って、そう簡単には見つからない場合もある。でも、人との繋がりができてくると、私のようにそこからご縁が繋がることだってあります。
あと高知って南国のイメージがあると思うのですが、意外と冬は寒かったりもします。そういった四季折々の表情を見ておくことも大事かなと。それから、「譲れない好き」を見つけることも大事ですね。私は思い切って来てよかった!と思っているし、人生で今が一番やりがい・生きがいを感じています。
あ、あともう一つアドバイス。虫はでかいぞ(笑)
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