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当たり前ではない毎日を噛みしめて

掲載日:2025.01.20
Profile
東洋電化工業株式会社
人事部人事課
秋山さん Akiyama

一緒にいられる時間を大切に

 1人目のときは、育休を産後1か月から1か月半、1歳になるタイミングで1か月、合計で2か月ぐらい取りました。 2人目は出産月から5か月、その後、上の子と同じように1歳になるときに1か月、合計で半年ほど取得しました。 1人目の時は見切り発車だったので、2人目では長めに取り、事前に家事や育児の分担についても妻と話し合いました。 その結果、上の子に関することはほとんど自分が担当。妻が下の子に集中できるようにしました。 育休から復帰後も、短時間勤務制度を活用し、夫婦で協力しながら毎日の家事や育児を⾏っています。
 もともと育休は取るべしという考え方でした。子どもと一緒に少しでも長くいたいと思ったから。 子どもはすぐ大きくなって、いやでも離れてしまうときが来るので、一緒にいられるときはいたいなという感じですね。

育休は仕事にもプラスに

 会社もこころよく受け入れてくれました。 伝えた時、上司は正直びっくりした様子もありましたが、かといって反対することはなく、「取るからにはしっかり育児してこいよ」と送り出されたのは心強かったですね。 自分も、育休を取ったからには無責任なことはできないという思いが湧いてきました。 製造業なので昔気質なところもありますが、それでも変わってきているなと感じます。 周囲の若い人たちも積極的に育休を取っていますし、取得後は、子育てをしている社員へのフォローやアプローチの仕方が自分の中で変わってきました。 人事の仕事をする上ではプラスに働いています。

「産まれてくる命は当たり前じゃない」

 上の子はさみしがりやなので、下の子が産まれたらさみしい思いをするだろうと思っていました。 夫婦で話し合い「じゃあ、自分が何とかするわ」と育休をつかって、できるだけ多くの時間を一緒に過ごせるよう努めました。 よかったなと思うのは、「お父さん、お父さん」とくっついてくるときですかね。 お父さんお母さんの区別なく寄ってきてくれるのがうれしいです。 自分がいないと「さみしい」って泣いたり、ちょっと疲れているときには好物の唐揚げを分けてくれたりすることも(笑)
 好きな言葉があって、「最後とは知らぬ最後が過ぎてゆくその連続と思う子育て」。 俵万智さんの短歌なのですが、その通りだなと。「ハイハイしていたのはあのときが最後だったな」とか、 「舌ったらずだったのはあれが最後だったな」と、あの時あの瞬間でしか味わえない貴重な時間だったとかみしめています。 子どもは生まれるのが当たり前ではありません。だからこそみんなで育てられる環境が必要だと思います。

男性育休の輪が広がっている

 先日、都会で働いている同級生と話したのですが、「育休を取りたくても、社内で関わっている人の数が多すぎて、自分一人の判断で簡単に進められない」と言っていました。 それに比べると高知県は育児休暇が取りやすい環境なのかもしれません。おおらかな県民性、新しいものを受け入れる土壌がすごくあると思う。 海や山など自然も多いし、公園も広くて遊ばせる場所に困らない。子育てをする上ではすごくいい環境だと思いますね。家族と過ごす時間は何物にもかえがたいですから。
 歴史ある製造会社の人事担当として自らが先陣を切って育休を取得。充実した時間を過ごしたからこそ男性社員の育休取得のサポートや多様な働き方への理解を深めておられました。 今後も育休の輪の広がりはもちろん、さまざまな働きやすい環境調整につなげていくのだと期待せずにはいられません。
 インタビュー場所の公園には長男くんも一緒に来ていました。バッタをつかまえたり、クモの子どもを見つけたり、その度に秋山さんにかけよって報告。 好奇心いっぱいにかけまわる様子を秋山さんは注意しながらもやさしく見守っていました。 「お父さんのこと好き?」とたずねると、「だいすき!やさしいお父さん」と教えてくれました。大事な時間をともに過ごした証を聞くことができました。
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