高知からアニメーターの可能性を切り開いて
掲載日:2024.12.18
Profile
2021年 Uターン
株式会社スタジオエイトカラーズ アニメーター
彼末さん
Kanosue
京都府→高知市
高知の会社に所属しながら大手アニメーション制作会社へ出向
現在、高知のアニメ制作会社(株)スタジオエイトカラーズに所属しながら、東京にある大手アニメ制作会社(株)カラー(代表:庵野秀明氏)へ出向しています。
私は「動画検査」という文字通り、動画のスムーズな動きや整合性のチェックを担当しています。
再び都会で働くことになりましたが、社宅も準備していただき抵抗感はありませんでした。高知という帰る場所があることが心強いのかもしれません。
仕事内容は難しく挑戦の連続ですが、おかげで技術が上がりアニメーターとしての自信にもつながっています。ここにいるうちに多くのことを吸収して高知へ帰りたいです。
高知で暮らしながら、アニメ制作に携わる
京都のイラスト関係の専門学校を卒業後、そのまま京都のアニメスタジオにアニメーターとして就職。
当時は、家と職場の往復で、そこにずっといる将来を描くことができなくなり、ゆくゆくは自然豊かな高知で暮らしつつ、フリーランスとしてアニメの仕事がやりたいと考えるようになりました。
そして、高知に帰って来てフリーランスで活動していた時に、母親から、「地元にアニメ会社ができると聞いて中途採用で応募しました。
私がアニメーターになりたいと思った時は、都会でなければできない仕事だと思っていました。
しかし今は高知にもアニメ制作会社ができたことで会社に所属することも、フリーランスという選択肢もできました。
“都会に行かなければできないのでやめておこう”とか考える必要がなくなってきたと思います。反対に、地方で暮らすからといって、やりたいことを諦めないでも大丈夫。
“地方でもやりたいことに向かって突き進めば、明るい未来が待っている”ということを、これからのアニメーターに伝えたいです。
休日は海や川、お気に入りの場所でエネルギーをチャージ
高知では近所の牧野植物園によく通っていました。
また、友達と海や川へ行ったり、お気に入りのカフェでのんびり過ごしたり。
再び都会で暮らしているからこそ高知の風景や澄んだ空気を一層恋しく思います。
高知はすぐ近くに緑がたくさんあって、なにより食事がおいしいのが魅力です。
高知では牧野植物園によく通っていました。休日はお気に入りのカフェでくつろいだり、友達と海や山に出かけたり。
私にとって自然が近くにあるという環境は大切です。素の自分に戻れたり、インスピレーションを得たりできるので。そういう面では高知がやっぱり落ち着きますね。
高知でしかできないアニメーション活動を
この出向は、高知にいた時に、カラーさんの前作に携わったご縁で、「ぜひ私と一緒に仕事をしたい」とお誘いがあったと社長より教えていただきました。
プレッシャーもありますが、自分にできることはやり遂げようと決心して来ています。
ここに出向できたこともスタジオエイトカラーズに入社しないとできなかったので本当に感謝しています。
高知にいた時も、県外案件8割、高知案件2割という配分で仕事をしていましたが、高知に戻ってからは、もっと高知県の仕事にも携わっていきたいです。
地域のアニメプロジェクトへの参加や、高知のスタッフだけでショートムービーが制作できたら楽しいだろうなと想像を膨らませています。
今回は東京と高知を結んだZoomでお話を伺いました。
この取材を含めて、仕事における場所的課題はずいぶん緩和されてきています。
取材の中で「場所ではない。個人のやる気と努力次第」と語られました。
一つ一つ手を抜かず、自他ともに納得できる仕事を積み重ねてきた彼女らしい言葉であり、京都、高知、東京と移り住みながらアニメーターとしてキャリアアップをしているからこそ紡がれた力強いエールでした。
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