土佐の海から、世界の海へ。
仕事・事業についてインタビューしました!
お話を伺った方:取締役工場長 徳田浩さん/業務部部長 岩本雅志さん/業務部副部長 江口大助さん
高知生まれの船を通じて、社会に貢献する
新高知重工は、「土佐の海から、世界の海へ。優れた造船技術で大きな社会貢献を。」をモットーに、世界の物流を支えています。2017年には船台を拡張し、3万8千トンの積載ができる高知県下最大の貨物船を竣工しました。
設立されたのは、1987年。前身となる高知重工株式会社(以下、旧高知重工)は、明治初期より続いた平田造船所、土佐造船鉄工所、光洋造機の3社が合併して1964年に誕生しました。しかし、当時の造船不況のあおりを受け閉鎖に追い込まれます。その後、元役職員有志が再建を目指して設立した高知造船鐵工所を現在の新高知重工に社名を改めて、今年で33周年を迎えます。
主に建造しているのは、穀物や鉱物の原料、木材といった資源を運ぶバルクキャリア。そのほかにもコンテナ船、自動車運搬船、冷凍運搬船、セメント運搬船、鉱石運搬船など、多種多様な船舶を建造しています。 1994年には陸機部門を設立。船舶の建造で培った技術を活かし、鉄鋼の耐震性防火水槽の製作を始めました。従来、市場の中心であったコンクリート製と比べて、鉄鋼製は耐久性や機能性に優れていることから、防火用水・飲料用水の貯水槽として、県下の学校や全国の自治体で相次いで採用されています。
また、新高知重工は、毎年海の日にちなんだ工場見学会や、造船所の見学会を実施したり、新造船を初めて海に出す進水式に地元の子どもたちや学生を招待するなど、地域社会とのつながりを深め、造船業界の認知度を高めるための取り組みにも力を入れています。
2019年9月の進水式。新造船が初めて海に出る。
不況に負けず、会社の再建を目指した
旧高知重工の閉鎖から、新高知重工としてスタートを切るまでの約1年半の間、旧社員のみなさんはどのような気持ちで再建への道を進んでいたのでしょうか。取締役の徳田さんは、当時を振り返ります。「『必ず会社を再建させるので残ってほしい』という当時の幹部からの言葉を信じて、とにかく再建に向けて頑張りました。おかげで残ったメンバーは誰一人離脱することなく、一緒に新高知重工の設立を迎えることができました。」
再建後に初めて建造した船舶は「WHITE HAKUYO(S7001)」。この船には特に思い入れがあります。「WHITE HAKUYOは当時の社員50名で造り上げました。現在は総勢500名で造っているので、その10分の1の人数ではありましたが、当時はまた船を作ることができる喜びで無我夢中でした。竣工したときは格別な思いがこみ上げてきました。」今日の新高知重工があるのは、会社を信じ続けて、船造りを愛し続けた旧高知重工社員の力によると言ってもいいかもしれません。
昭和53年当時の旧高知重工時代の工場
新高知重工となり最初に完成した「WHITE HAKUYO」。当時の社員の想いがたくさん詰まっています。
船づくりにはロマンがつまっている
年間7~8隻、常時4隻の船が建造されています。1隻の船が出来上がるまでに約10ヶ月かかります。 最初は、1枚の鋼板から様々な部品を切り出し溶接してつなげて「ブロック」と呼ばれる船舶の一部を造ります。3ヶ月の期間をかけて、ブロックを組み立てて1隻の船に仕上げて外装が完成。その後、艤装工事と呼ばれる電子機器、運航設備、居住区の設備や安全設備といった内装工程を行ってようやく竣工となるのです。このプロセスから、船は「総合建築物」とも言われています。
ひとつひとつの作業の積み重ねで、1隻の船が完成し、大海原へと乗り出す―そこにはロマンを感じます。「子どものころからものづくりが好きでした。テレビで船が進水するシーンを目にし、船のスケールの大きさに驚いたことを今でも覚えています。」と徳田さん。「海に進んでいく船は圧巻でした。それから船の建造に携わりたいと考えるようになり、現在に至っています。」その胸にあるのは、絶えることのない船づくりへの情熱、そして自分たちの作った船が世界の物流を支えているという誇りです
1枚の鋼板を加工し、様々な部品を合わせていきます。この「ブロック」の一部が大きな船舶に。
新高知重工で働くこと
新高知重工は、新来島どっくグループのひとつ。東京に本社を置く株式会社新来島どっくを筆頭に、新来島豊橋造船、カナックス、新高知重工の4社を中心とした造船専業のグループ会社となっています。
業務部副部長の江口さんは営業担当。「当社は、船を造って売っていますが、契約に関わる営業はグループ会社(新来島どっく)が行うため、営業担当とは言っても一般的にイメージされるセールス活動はありません。船舶を発注したお客様が現場監督として、作業工程の確認のために当社の工場に来られるので、細かな要望を実際に作業する現場に伝える役割を担います。進水式や命名式など、お客様の船に関わるイベントの運営も行っています。」新高知重工の営業担当者は、造船中の船に関する対外的な対応を中心に、船舶を発注したお客様に満足してもらえるよう業務に取組んでいます。
一方、船舶の製造現場については、「船はすべてオーダーメイドで製造されるので、オンライン化や自動化が難しい作業になります。」と徳田さん。「不況によって造船の仕事が少なくなった時に、一部社員に自動車工場へ出向してもらったことがありました。最新鋭の機械に囲まれた現場から、そのまま戻ってこないのではないかと正直心配でしたが、全員戻ってきてくれました。理由を聞くと、造船の工程は自由度が高く、自分の手作業や力量による部分が多いので、自分の手で作っている実感が持てる、と話していました。実際、1枚の鉄板を切り出し、つなぎ、曲げる作業は難しくもあり、おもしろい。決してオートメーションでできるものではなく、人なくしてできるものではないのです。」各々が培ってきたノウハウを活かし技術力を磨きながら働く、それが新高知重工の働き方です。そこで働く社員は自律し、日々工夫を行いながら業務に取り組んでいます。
ひとりひとりの役割は小さいけれど、自分の関わった船が世界で活躍する姿を見るのは、何物にも代えがたいやりがいとなります。
現在の工場は、旧高知重工時代より大切に受け継がれています。
「ミライへ漕ぎ出す」仲間と出会いたい
「高知に開かれた企業でありたい。また安定した雇用を生み出し、地域に貢献し続けていきたい。」と徳田さん。高い技術力と地域への貢献度で、高知屈指の企業として存在しています。 「真面目にコツコツ頑張る人を応援したいですね。また、作業がマニュアル化されているわけではないので、臨機応変に対応できる人が向いていると思います。」と採用について話す徳田さん。船舶の建造は、短期間で容易にできるものではないので、刻一刻と変化する作業状況に対応できる力も求められるのです。
新卒社員には世話役制度があり、入社後1年間は年齢の近い先輩社員が「世話役(教育係)」を担当して丁寧に指導しています。新入社員とともに世話役も成長していく仕組みです。 新高知重工では、世界の物流を担う船舶を、高知から世界の海へ送り出す仲間を探しています。インターンシップの受け入れや進水式の見学なども行っています。
(左から)岩本さん、徳田さん、江口さん
県内最大の造船所
業種別売上も常に上位
・周囲と協調性を持って、コミュニケーションが取れる方
(自分の思う事を伝えることができ、相手の言う事を取り違えずに理解できる方)
・ものづくりに興味のあり、船や海が好きな方
企業情報
- 企業名
- 新高知重工株式会社
- 業種
- 製造業
- 住所
- 高知市仁井田新築4319
- 設立年月日
- 1987年11月
- 代表
- 郷本 弘
- 資本金
- 3億8,700万円
- 従業員数
- 男性194名 女性13名
- 採用担当(連絡先)
- 088-847-1111(業務部:田村)
採用関連情報
- 新卒初任給
-
212,000円(大学院卒)
200,000円(大卒)
190,000円(高専卒)
180,000円(短大/専門卒) - モデル年収
- ・350万円/21歳(中途2年目) 月給19万円+賞与+残業手当
・425万円/32歳(大卒10年目)月給23万円+賞与+残業手当 - 自己啓発支援
-
業務に必要な資格取得費用は会社負担
自己啓発通信教育の7割を会社負担 - 研修制度
- 新卒入社時は、2週間の集合研修、および1~2ヶ月の実習研修(愛媛)
中途入社の場合は、OJTによる - 有給消化日数
- 11.8日
- 平均年齢
- 37.2歳
- 新卒・中途就業状況
-
採用者数:新卒15人/中途17人
採用者数のうち離職者数:新卒0人/中途4人