高知の郷土菓子である芋けんぴを作り続けて61年
仕事・事業についてインタビューしました!
お話を伺った方:お話を伺った方:執行役員 総務部長 福田賢さん
祖母の味、芋けんぴ
澁谷食品は、1952年に創業した芋けんぴなどのサツマイモ菓子の製造を行う会社です。サツマイモ菓子を製造・販売する当社ですが、創業当時作っていたのは「かりんとう」。先代社長である澁谷金次郎が行商で桂浜などを訪れ、作ったかりんとうを売り歩いていました。その後、かりんとうの原材料である小麦粉が高騰したことにより、手に入りやすい芋を使った芋けんぴの製造をスタートしました。
芋けんぴは、金次郎の祖母が家庭でよく作ってくれていたお菓子。いわば祖母の味です。そんな素朴で美味しい芋けんぴの製造に取りかかったのが、今から50年ほど前のことです。以来、半世紀に渡って高知の郷土菓子である芋けんぴを作り続け、現在では、高知県と鹿児島に4工場、全国に4営業所、そして直営店「芋屋金次郎」を7店舗展開する企業となっています。
芋けんぴ工場での選別作業
芋へのこだわり
開拓精神旺盛な創業者金次郎は、芋けんぴに最適なサツマイモを求めて、世界各地に旅に出かけました。南米からアジアまで旅をした結果、鹿児島県大隅半島に辿り着きます。シラス台地のため水はけがよく、日照時間が長いこの土地に、金次郎の求める芋けんぴづくりに最適なサツマイモが育つ環境が整っていました。
その後、1981年に鹿児島県で九州工場を設立し、契約農家さんから仕入れた高品質で新鮮なサツマイモをすぐさま加工できる体制を整えました。九州工場では、芋けんぴや製菓、菓子パンメーカー向けにサツマイモのダイスカットやペーストを製造し、高知工場では、芋けんぴや洋菓子であるスイートポテト、直営店専用工場があります。 その後、鹿児島県で農業法人ヤゴローフーズを1997年に設立し、サツマイモの栽培にも取りかかりました。土づくりからはじめ、苗の栽培、収穫した芋の維持管理まで一貫した体制を確立し、芋から育てる「芋専門」企業となりました。
品質へのこだわり
芋けんぴの原材料となるのは、芋と砂糖と油だけ。自然な美味しさを味わって欲しいという思いから、添加物や保存料は一切使用していません。材料が少ないだけに、それぞれの素材の味が大切です。特に、芋を揚げる油は酸化しやすいため、厳しい社内基準を設けて新鮮なものしか使わないよう徹底しています。袋詰めしたものでも、できる限り「揚げたて」「できたて」を味わってほしいという思いから、賞味期限も短く設定するというこだわりようです。全ては美味しい芋菓子を提供したいという、当社の思いからです。
食品業界では、栽培から加工、販売までを一貫して自社で行うというのは、極めて少ないといいます。「美味しいサツマイモでなくては、美味しい芋けんぴにはならない」という芋へのこだわり、そして原材料一つ一つにまでこだわる当社だからこそ、高い品質の商品が生まれているのです。
自社ブランドだけでなく、OEM・PB商品まで幅広く製造
直営店舗「芋屋金次郎」
澁谷食品は、芋けんぴや芋を使った洋菓子を販売する直営店舗「芋屋金次郎」を、全国に7店舗展開しています(2020年10月時点)。お店では、お客様の目の前で揚げた、出来立ての芋けんぴを販売しています。
部長の福田さんは「工場で食べる、出来たての芋けんぴは格別の美味しさ。社内の人の特権だったこの味を、お客様にも食べて欲しいと店内調理を行うことになりました。」と揚げたてを提供することになった経緯を語ります。
まずは大手デパートでのイベントの時に、出来たてを提供するところからスタートし、16年前に高知県日高村に芋屋金次郎1号店をオープンしました。また、お客様に揚げたての美味しさを味わってもらうだけではなく、地域の産品を取り入れた商品づくりも行なっており、高松では和三盆、道後では藻塩、福岡ではあまおう苺といった各店舗限定の商品も開発しています。
芋屋金次郎では、各種芋けんぴのほか、洋菓子も並ぶ
澁谷食品で働くということ
福田さんは、高知県に移住し、他業種から澁谷食品に転職しました。「社長のチャレンジ精神や熱い思いを聞いて、澁谷食品への就職を決めました。社長自らが「イキイキと働く」ということを実践しているのは、面白いなと思います。」そんな福田さんの言葉通り、常に情報のアンテナを張り、チャレンジし続ける姿勢を大切にする社長。社長も出席する店長会などでは、社員が積極的に提案や商品開発、改善に関する意見を出し合います。そうして出てきた意見に対して、決断にかける時間はできるだけ短く、すぐに次のフェーズに移れるような会社であると言います。
中途採用で入ってきた社員には、他業種からの転職も多いそう。ですが、そんな社員に共通しているのが「ものづくりが好き」という点。「いろいろな経歴を持つ社員が多いです。一見畑違いと思いがちですが、働いてみると、これまで培ってきた経験を活かせる場面は多いですよ」と福田さんは言います。なんでも学ぶ姿勢で取り組み、これまでの経験と澁谷食品での経験をミックスし、澁谷食品に新しい風を吹き込んでくれる人を募集しています。
福田さん
芋けんぴの全国販売シェア50%
直営店「芋屋金次郎」では出来立ての芋けんぴを販売
・協調性があり、チームワークを大切にできる人
・何事にもチャレンジ精神を持って積極的に取り組む人
・感謝の気持ちを忘れない人
企業情報
- 企業名
- 澁谷食品株式会社
- 業種
- 製造業
- 住所
- 高岡郡日高村本郷716
- 設立年月日
- 1959年5月
- 代表
- 澁谷 伸一
- 資本金
- 3,000万円
- 従業員数
- 男性110名 女性325名
- 採用担当(連絡先)
- 0889-24-5131(採用担当:井上宏貴)
採用関連情報
- 新卒初任給
- 191,660円(大卒)
- モデル年収
- ①350万 / 30歳、高卒、勤続9年 諸手当込み(共働き、子女1人扶養)
②500万 / 40歳 大卒、勤続17年 諸手当込み(共働き、子女2人扶養) - 自己啓発支援
- 資格取得や研修参加の支援など
- 研修制度
- 6か月間の研修期間あり。期間中は各部署を回りながら、フォークリフトなどの資格を取得する。
- 有給消化日数
- 8.0日
- 平均年齢
- 37.4歳
- 新卒・中途就業状況
- 採用者数:新卒48人/中途25人
採用者数のうち離職者数:新卒3人/中途5人