移住者インタビュー

「好き」を仕事に!高知には可能性がある!

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ジビエ料理専門店「Nook’s kichen」のオーナーである西村さんにお話を伺ってきました。

西村 直子さん

  • 出身地:高知市
  • 現住所:香美市
  • 移住年:2009年
  • 職業:自営業(ヌックス キッチン)

Q1.高知にUターンしたきっかけと経緯

幼い頃から、外国へ行くことが夢の一つでした。20歳からバックパックを背負ってたくさんの国を回りましたが、いつからか旅行者ではなく、外国で暮らしたいと思い始めました。しかし、外国で暮らすためにはワークビザが必要です。ワークビザを取得するために外国で通用する資格(手に職)をと考えたとき、調理師免許があれば世界各国の日本食レストランで働けると思い、日本で調理師免許を取得しワーキングホリデービザでニュージーランドへ行きました。

ニュージーランドでは、日本食レストランや現地のレストランで料理人として勤務しながら、料理教室の講師なども行い、地域のコミュニティに入っていきました。ニュージーランドへ渡って4年目で永住権を取得、通算12年間暮らしましたが、勤務中に怪我をし、治療のため一時帰国することになりました。一時的なつもりで高知市にUターンしましたが、治療が長引き、祖母の家があった香美市で療養生活を送っていました。

Q2.ジビエに携わることになった経緯

香美市で生活し始めた2009年、家のポストに「べふ峡温泉」で“シカ肉商品企画開発”担当者募集のチラシが入っていました。それを見た時、シカ肉のことだったら何か役に立てるかもしれないと思い応募したことがきっかけです。
ニュージーランドではいたるところに鹿牧場があり、日常的に高級食材として鹿肉が食べられています。しかしそれが日本では害獣として扱われていることに疑問を感じ、日本のシカを食べてみたら、養殖のシカ肉と違い、高知の天然のシカの美味しさに驚き、【もったいない】と思いました。「硬い」「パサパサする」と言われているのは、食べ方を知らないため、本当のシカの価値に日本人は気づいていないと思い、シカの美味しさを知ってもらい、香美市の名物にしたいと思って仕事を始めました。
仕事を始めたばかりの頃は、慣れない日本での生活や自分自身に余裕がなく、今思えば地域に馴染めていないと思うこともたくさんありましたが、仕事をするからには絶対に結果を出したいとの思いが先行し、ガムシャラに仕事をしていました。

Q3.具体的にはどんな取り組みをされたんですか?

2009年当時は、「シカ=害獣」で食べることができるお肉と思われていませんでした。また当時販売されていたシカを使った加工品(ソーセージや焼肉のたれに漬け込んだもの)の多くは1キロ入りの袋で添加物も多く使われており、これでは手に取る人は少ないだろうなと感じていました。
そこで無添加でシカソーセージを作り、3本入りの冷凍パックで販売しましたが、期待したような売れ行きにはなりませんでした。「なぜ売れないんだろう?」と考えた時、シカ肉へのハードルを下げることが必要だと思い、シカソーセージをイベント用の商品へ変更。その場で食べられる“シカドック”を考案しました。すると、これが大ヒット!『第2回土佐の食1グランプリ(※)』で優勝をするほどの好評をいただきました。
※「土佐の食1グランプリ」とは・・・エントリーグルメ1品購入毎に投票券1枚が配られ、来場者は色々なグルメを食べ比べ、お気に入りのグルメに投票し、その人気投票で高知のNo.1グルメを決定するイベント。

Q4.起業するまでの流れを教えてください。

シカ肉の商品企画開発の仕事は2年間限定でしたので、そのあとは大豊町の複合型レジャー施設へシカ商品の導入やジビエのイベント企画を行ないましたが、シカやイノシシを目的とした外国人観光客誘致を行いたいと思い、高知県で観光を担当していた方に相談しました。そしたら、その方から「外国人観光客誘致を行いたいなら、まずいつでもジビエ料理を食べれる場所を高知市内に作った方がいい。西村さん自身で起業したほうがいい。」とアドバイスを受けたことで、起業を決意。『Nookʼs kichen(ヌックスキッチン)』を開業しました。

店舗は、県庁の方に起業することを話していたら、その方が「ちょうどの店舗を知っている」とご紹介くださり、希望していた通りの物件を見つかりました。店舗の改修も最低限で行い、高級な食器やグラスは購入せず、友人が譲ってくれた食器などを使うことで出費を抑えました。また当時の空き家店舗対策事業費補助金を活用できたこともあって、お金を借りずに手持ち資金で開業できたことは本当に助かりました。

「返済」という重圧がないことで、万が一、経営がうまくいかなかったときにはすぐに撤収し違う仕事に就けばいいと、精神的余裕を持てたことが、料理に集中できる環境となり、営業日以外は講師業やイベント開催などをするゆとりが生まれ、様々な層の方に「ジビエ料理」を知っていただく機会を持てました。

Q5.高知で「起業」を目指す方へメッセージをお願いします!

移住する上で、地域はしっかりと選ぶことが大事ですね。 例えば、香美市と言っても地域によって 雰囲気が違います。“自分に合う合わない”という 感覚は誰にでもあるので、そういった部分を事前 に体験してみることが大事だと思います。あと、高知は起業したい人には本当にオススメ!!食事が美味しくて、人が温かくて気候も温暖で住みやすいなど住環境に優れているのはもちろん、高知の人は新しいものが大好きで好奇心旺盛なので、新事業を受け入れてもらえる可能性が高いと思います。

そして起業に向けた学びの場も多く、無料で受講できるものも多い! こんなに学びの多い県は高知くらいだと東京のコンサルタントの先生がおっしゃっていました。学びの場を活用することで、情報や知識を得るだけでなく、横のつながりもでき、高知での起業がもっと簡単になると思います。そして県の方が親身になってサポートしてくれるのも安心です。

◇田舎で起業を考えている方に耳寄り情報◇

高知で起業したいと考えていても、家や店舗、家具、インターネット回線など全てを自分で用意してゼロから挑戦するにはハードルが高いと思いますし、今お住まいのお家を引っ越してまではちょっと勇気がいるなぁ、と思うのが普通だと思います。

そこで、私が管理をしている敷地300坪に建つ築100年の古民家や別棟のプロ仕様の厨房や店舗、自家菜園、放し飼いのニワトリまでセットになった家具付きの物件を、3週間〜の短期で貸し出すことにしました。手ぶらで高知へ来て、田舎暮らしや田舎でビジネスをするのがどんなものか体験してもらうことで、移住後をリアルに感じてもらえたら嬉しいなあと思っています。

田舎の古⺠家に住みながら畑仕事をするだけでも十分高知の魅力を感じていただけると思いますし、ワークショップや料理教室、食品加工をしてみることで、移住後のビジネスのイメージをしやすくなるのではと思います。1日単位の利用料になっていますので、お気軽にお問い合わせください。

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