移住者インタビュー

あたたかな人と自然に囲まれて 無理しない生き方を。

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兵庫県明石市役所に23年勤めていた岡本幸将さん。たまたま知った馬路村にホレこんで通うこと7年。ついに馬路村役場へ転職して、村の暮らしをスタートさせました。

岡本 幸将さん

  • 出身地:兵庫県
  • 現住所:馬路村
  • 移住年:2021年
  • 職業:馬路村役場

profile

兵庫県神戸市出身。明石市役所に23年間勤務。仕事でたまたま馬路村を知り、強く魅かれる。7年にわたり訪問を繰り返したのち、2021年4月、馬路村役場社会人採用試験に合格。趣味の音楽を馬路村でも楽しもうとコーラスグループに参加。村のくらしを満喫中。

森に響くユーフォニアム

中学生のとき、吹奏楽部に入って「ユーフォニアム」という管楽器を始めました。チューバよりも小ぶりで、ホルンやトロンボーンほど知られておらず、オーケストラの編成でもあまり見かけない、ちょっとマニアックな楽器です。
最初に楽器の振り分けをしたとき、一番人気の管楽器はトランペットでした。自分もやりたかったけど、友達に譲って、ユーフォニアムを選びました。結果、とても個性的な楽器に巡り会えて、良かったなと思っています。

ユーフォニアムは今も続けていて、休日になると、河原や隧道(古いトンネル道)など、村のあちこちで演奏して楽しんでいます。神戸にいたころは、戸外で練習するなんて考えられませんでしたが、馬路村の空の下だと沢の音や森の木々に紛れて、気持ちよく演奏できます。今のところ迷惑がられることもなく、有難いことだなと思います。
 
去年までは神戸・明石を中心に、アカペラでも活動していました。今は村のコーラスグループに声をかけてもらえて、妻と2人で参加しています。歌はやっぱり楽しいですね。

この地域ではまだ音楽で目立った活動をしている人は見かけませんが、ずっとここに暮らして演奏していれば、いつか音楽経験者やひそかに活動している人と繋がってくると思っています。

神戸・明石を中心に、アカペラでも活動
神戸・明石を中心に、アカペラでも活動

神戸から馬路村へ 繰り返し訪れた7年間


以前は兵庫県神戸市に住んで、明石市役所に勤めていました。
馬路村を知ったのは、仕事で前村長の講演を聞いたのがきっかけです。村全体が全力で動いているという印象を受けて、「これはぜひ実際に行ってみなきゃ」と心が浮き立つような興味を覚えました。

初めて馬路村へ来たのは7年前。神戸から車で片道6時間かかりました。
いくつかルートがありますが、徳島県の海岸伝いに南下し、山道をくねくねと登ってくるルートをよく利用していました。結構な道のりですが、不思議と楽しくて、それから年に何度も通うようになり、ある時期から「遊びに行く」というより「里帰り」の感覚になりました。

馬路村に移住してきた人がやっているパン屋さんがあって、人がたくさん集まってくるサロンのような存在になっています。
私も村を訪れるたび、そのパン屋さんに立ち寄って話し込み、店を基点に少しずつ知り合いが増えていきました。人が人を呼んで、温かな集まりの輪が広がっていき、「いつかここに住むんだろうな」と思うようになりました。
移住前、馬路村の旧河平家で、囲炉裏を囲んでの飲み会。
移住前、馬路村の旧河平家で、囲炉裏を囲んでの飲み会。

市役所→村役場 岡本流「ピボットターン移住」


神戸市から馬路村へ移り住むとなれば、仕事も日々のリズムも何もかもが変わります。仕事面と生活面の両方で大きな変化が生じると、想像以上にしんどいかもしれないという不安がありました。また、40代で転職するにあたっては、「業種」と「職種」の一方は変えない方が良いとも言われています。

そんなことを考えていたさなか、馬路村役場で社会人採用試験が実施されることを知りました。現職と似たような言葉を使い、似たような作法で動く、いわば「同業種」で転職するチャンスです。
そこで、「やらなかった後悔よりやった後悔がいい」と思い切ってエントリーしたところ、採用していただけました。このタイミングで採用試験があったのもご縁かと思っています。

ピボットターンは、住むところと仕事の2軸のうち、どちらか一方の軸は変えずに移住したり転職したりするという意味。僕の場合は、仕事を変えずに住むところを変えるピボットです。結果的に、仕事面でも生活面でもとてもスムーズに移行できました。

明石市役所は職員数が多くて、それぞれの専門の担当業務がありました。
一方、馬路村のような小さな自治体は、一人がいろいろな仕事を受け持たないといけません。少ない人数で多くの業務を兼務しながら、村役場の仕事を回す。一人一人の熱量が高いなぁという印象を受けます。
 
明石市役所勤務時代、まちづくりの活動をしていました。
明石市役所勤務時代、まちづくりの活動をしていました。

「よそもの性」を失わないように

私は村の生まれではないし、村に代々のルーツがある人と同化することは難しいと思っています。ならば良い意味で「よそもの性」を失わないようにしようと決めました。

馬路村には同じようによそから来たユニークな人材がいて、それぞれに村に新しい風を吹き込んでいます。ここは小さな村ですが、「よそもの」を遠巻きに煙たがったりせず、当たり前のように受け入れてくれるように感じます。懐が深くて面白い土地だなと思います。

前に住んでいた神戸や前職に不満があったわけではありません。神戸は素敵な街だし、前職でも素晴らしい仲間に恵まれて、プライベートの音楽活動も充実していました。
もしかしたら神戸に住み続けたまま、馬路村に関わる方法もあったかもしれません。ただここで動かないと後悔すると思いました。

自分なりに、馬路村の一員になってみて半年。ここにきて良かったと感じています。






 
明石市役所勤務時代、同僚のメンバーとライブで出演。
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村での音楽イベント。馬路村でも音楽はずっと続けていきたいです
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